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経費申請の効率化はどこから始める?差し戻しを減らす進め方とAI活用

更新日:2026.01.21

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経費申請・精算業務は、毎月の定型業務でありながら、領収書の管理、手入力によるミス、差し戻しといった手間が膨大で、経理担当者だけでなく全従業員の大きな負担になっていませんか?人手不足やペーパーレス化の遅れといった課題を抱える中で、「本来の業務に集中したい」と考える経理部長様も多いことでしょう。

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本記事では、経費申請を効率化する具体的なメリットから、AI-OCRやモバイルアプリを活用した最新のデジタル化手法、さらには現場に定着させるための手順までを、経理業務を熟知したプロの視点で徹底解説します。この記事を読むことで、経費業務の課題を根本から解決し、月次決算の早期化健全な経営体制の維持に繋がる道筋が見えてくるはずです。

経費申請(経費精算)とは?業務フローと“詰まりやすい地点”

経費申請の効率化は、ツール導入の前に「どこで滞るか」を業務フロー上で特定することが近道です。申請者・承認者・経理それぞれの作業がつながっているため、詰まりやすい地点(入力/承認待ち/差し戻し)を先に押さえると、改善策を選び分けやすくなります。

  • 全体像:申請→承認→経理チェック→会計処理・支払→保存までを1本の流れで捉える
  • 詰まり地点:入力/承認待ち/差し戻しのどこで滞留しているかを先に特定する
  • 改善の順序:詰まりに合う手段を選び、段階的に取り入れる(いきなり全社展開しない)

経費申請の基本フロー(全体像)

  1. 申請:申請内容の入力、領収書(証憑)の添付
  2. 承認:上長・部門長などが内容を確認し承認(必要に応じて差し戻し)
  3. 経理チェック:勘定科目・税区分・規程適合の確認、修正依頼
  4. 会計処理・支払:仕訳作成・会計連携、振込/給与相殺などで精算
  5. 保存:証憑・申請データの保管(監査対応・法対応を見据える)

詰まりやすい3地点(まずはここを点検)

  • 入力:項目が多い/証憑添付が面倒/ルールが複雑で迷う
  • 承認待ち:承認者が出先で処理できない/差し戻し基準が人に依存する
  • 差し戻し:不備のパターンが固定化している(科目・税区分・証憑不足など)

以降では、まず効率化しない場合の悪影響を整理したうえで、メリットと手段(デジタル活用)を具体的に解説します。

経費申請の「非効率」が企業にもたらす具体的な悪影響

経費申請が非効率なままだと、手入力・紙管理がボトルネックとなり、申請・承認が滞留しやすくなります。結果として差し戻しや確認工数が増え、経理だけでなく申請者・承認者まで含めて全社の生産性を押し下げます。

  • リードタイム増:申請・承認が滞留し、立替精算や月次処理が後ろ倒しになる
  • 差し戻し増:入力ミスや証憑不足が増え、申請者・承認者・経理の往復工数が膨らむ
  • ガバナンス低下:規程違反・重複・不備の見落としが起きやすく、統制が弱まる

膨大な手入力による申請・承認業務の遅延

経費申請における手作業は、申請者・経理担当者双方に大きな時間的負担を強いる要因です 。申請者は、出張時の交通費や接待費などの領収書やレシートを整理し、科目を確認しながら申請書に一つひとつ手入力する必要があります 。この作業は毎月発生するため、締め切り直前には大きな負担となり、本来の業務に集中できなくなるという問題が生じます 。一方、経理担当者も、提出された申請書の内容と領収書を照らし合わせ、科目の振り分けに間違いがないかをチェックする作業に膨大な時間を費やします 。この手作業の多さが、経費精算全体の処理を遅らせる主要な原因となり、結果として会社の財務状況をリアルタイムで把握することを困難にします 。

申請ミス・差し戻しによる全社員の業務負担の増加

手入力や紙媒体での申請が主体の環境では、申請ミスや書類の提出遅延が発生するリスクが高まります 。具体的には、金額の誤入力、勘定科目の選択ミス、添付すべき領収書の漏れなどが頻繁に起こり得ます 。ミスが発見された場合、経理担当者は申請書を差し戻し、申請者やその上長である承認者へ修正を依頼しなければなりません 。この差し戻しという一連のプロセスは、経理担当者だけでなく、申請者、承認者にも余計な労力と精神的なストレスを与えます 。特に承認担当者の97.5%が経費申請の差し戻しを「精神的負担」と感じているというデータもあり、非効率なフローが全社的な従業員の満足度を低下させる要因にもなりかねません。

差し戻しが多い場合は、不備の発生パターンを固定化して潰すことが近道です。原因別の対策をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

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紙の管理による紛失リスクと属人化の発生

紙ベースで経費申請を管理している場合、領収書やレシートが散逸したり、紛失したりするリスクが常に付きまといます 。これらの書類は税務上の証憑となるため、正しく管理・保管できなければ、会社の財務状況や税務上の申告の正確さを担保できません 。また、紙の申請書をファイリングする作業や、過去の申請内容を確認するために膨大な書類の中から探し出す作業は、経理担当者の業務を複雑化させます。さらに、紙の書類は「特定の担当者しかその保管場所や手順を知らない」という業務の属人化を引き起こしやすく、担当者が不在の際に処理が止まってしまうなど、業務フローのボトルネックとなる可能性があります 。デジタル化を進めることで、こうした紙がもたらす煩雑さを解消し、リスクを抑制できます 。

経費申請が滞る原因は、申請者・承認者・経理で“詰まり方”が異なります。まずは、どの立場のどこで詰まっているかを切り分けると、改善策を最短で選べます。

表:立場別の詰まりポイント→原因→効く打ち手

立場詰まりポイントよくある原因効く打ち手(例)
申請者入力・証憑添付入力項目が多い/添付漏れ/規程が分かりにくい入力項目の整理/モバイル申請/AI-OCRで証憑読み取り/入力チェック
承認者承認待ち外出・出張で承認が止まる/判断基準が曖昧モバイル承認/期限アラート/承認ルールの明文化(差し戻し基準)
経理差し戻し・確認科目・税区分の揺れ/規程違反/例外処理が多い規程違反の自動検知/仕訳ルールの整備/マスタ統一/ワークフロー標準化
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経費申請を効率化する5つの大きなメリット

経費申請を効率化すると、申請・承認のリードタイム短縮や入力ミスの削減に加え、月次決算の早期化にもつながります。さらに、経費データが正確に蓄積されることで、コストの可視化や属人化の解消など、経営・組織面の改善効果も期待できます。

  • 工数削減:入力・確認・承認の手間が減り、申請者・承認者・経理の負担が軽くなる
  • 品質向上:入力ミスや不備が減り、差し戻しが抑えられて処理が安定する
  • 経営効果:経費データが整い、可視化・分析が進み、月次決算の早期化にもつながる

【定量比較】経費申請のデジタル化で実現する業務改善効果

項目Before:アナログ運用After:デジタル化後
申請・承認のリードタイム7営業日2営業日
エラー率(差し戻し・記入不備)月平均10件月1件未満(ほぼゼロ)
月次決算の所要期間月末から10営業日月末から5営業日
領収書保管コスト年間120万円ほぼゼロ(電子保存)
差し戻し率15%3%未満
申請1件あたり処理時間12分5分
従業員の立替期間平均30日平均10日
※数値はイメージです。自社の実績に合わせて編集してください。

メリット1:ヒューマンエラーの抑制と正確性の確保

経費申請をデジタル化する最大の利点の一つは、ヒューマンエラーを大幅に抑制できる点です 。紙や手入力による申請は、金額の転記ミスや勘定科目の選択ミスが発生しやすいという課題があります 。しかし、AI-OCRなどの技術を活用すれば、手書きの領収書であっても高精度で情報を読み取り、システムに自動で取り込めます 。また、過去の取引データを学習し、勘定科目を推定して自動で仕訳を提案する機能も活用でき、間違いを未然に防ぐことが可能になります 。これにより、経理担当者が一つひとつ入力内容をチェックする負担が軽減され、申請の正確性が高まるため、会社の財務諸表の信頼性向上に直結します 。

メリット2:申請から精算までのリードタイム短縮と決算の早期化

デジタル技術による効率化は、申請から承認、そして精算までのリードタイムを劇的に短縮します 。モバイル端末から領収書を撮影するだけで即座に申請できる仕組みを整備すれば、申請者は締め日に慌てる必要がなくなります 。また、承認担当者も外出先や出張先からモバイル承認が可能になることで、決裁の停滞を防ぎ、スピードが向上します 。迅速かつ正確な処理が実現することで、経費精算に関わるすべてのデータがシステムに迅速に蓄積されます 。これは、月次決算や法人税の計算に影響する重要な要素であり、経営状態の早期把握決算期の経理部門の負担軽減にもつながります 。

メリット3:紙媒体の管理解消によるペーパーレス化とコスト削減

経費申請をデジタル化することは、煩雑な紙の書類管理から企業を解放します 。紙の領収書を印刷・ファイリングし、保管する一連の作業は、手間や時間だけでなく、保管スペースの確保という物理的なコストも発生させます 。システム上で領収書や申請内容が一元管理できるようになれば、これらの紙媒体がもたらすコストや煩雑さを解消できます 。紙の領収書が散逸するリスクも抑えられるため、内部統制の強化にも寄与します 。ペーパーレス化を推進することは、単なる効率化だけでなく、企業の環境負荷低減にもつながり、企業イメージ向上にも貢献する重要な取り組みとなります。

メリット4:経費データ分析による戦略的なコスト見直し

効率化によって経費申請のデータが正確かつ迅速にシステムに蓄積されるようになると、そのデータを経営戦略の策定に活用できるようになります 。従来の紙ベースの運用では、部署ごとの支出項目を詳細に分析することは困難でしたが、デジタル化により、お金の流れを俯瞰できるダッシュボードなどで、詳細な支出把握が容易になります 。これにより、部署ごとの不要なコストを特定し、見直しや交渉材料として活用できます 。財務管理の精度が高まることで、企業はリスクや無駄を素早く察知し、他の重要案件への投資判断など、より現実的な数値に基づいた戦略的な意思決定を行えるようになります 。

メリット5:経理業務の属人化を排除し、健全な体制を維持

経費申請のフローをシステムで一元管理することは、特定の担当者に依存していた業務の属人化を排除する上で極めて重要です 。紙ベースでの申請は、承認者が不在だと処理が止まったり、特定の経理担当者しか処理手順を知らなかったりするケースがよく見受けられます 。経費精算システムやクラウド会計ソフトを導入することで、旅費交通費の集計や立替精算などの一連の作業がシステム上で標準化されます 。これにより、誰が担当しても同じ手順で処理できるようになり、担当者の異動や退職が発生した場合でも、業務の引き継ぎがスムーズになり、企業の健全な経営体制の維持に貢献します。

従業員数が多い組織が抱える経費精算5大課題の解決策

デジタル技術を活用した経費申請の具体的な効率化手法

経費申請の効率化は、AI-OCRやモバイル申請・承認などのデジタル技術を活用することで、入力・確認・承認の手間をまとめて圧縮できます。重要なのは「どの詰まりを解消したいか」を先に決め、必要な機能から段階的に取り入れることです。

  • 入力の自動化:AI-OCR等で証憑入力を省力化し、ミスと手間を同時に減らす
  • 承認の高速化:モバイル承認・通知で滞留を減らし、処理スピードを上げる
  • 差し戻し予防:規程違反検知・入力チェックで“不備のまま回る”状態を止める

AI-OCR(光学文字認識)による領収書の自動データ化

経費申請における手入力の負担を劇的に軽減するのが、AI-OCR(光学文字認識)を活用したソリューションです 。AI-OCRは、紙の領収書やレシートをスマートフォンなどで撮影するだけで、そこに記載された文字情報を高精度で読み取り、データとしてシステムに取り込むことができます 。これにより、申請者が日付や金額、支払先などを手で入力する手間が大幅に削減され、入力ミスも抑制されます 。さらに、単なる文字認識に留まらず、生成AIとOCRを組み合わせて、申請の承認や不備指摘を自動化する仕組みも構築されています 。これにより、ある事例では月4,000件の申請のうち70%以上を自動化したという報告もあり、その効果は非常に大きいといえます 。

AI-OCRに加えて、承認・監査・保存まで含めて「経費申請そのものを自動化」していく考え方も有効です。AI活用と法対応を含めた全体像は、以下の記事で詳しく解説しています。

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自動仕訳機能による勘定科目振り分けミスの防止

経理担当者の業務の中でも、特に神経を使うのが、経費の勘定科目の振り分けです 。科目の振り分けは、会社の財務状況や税務上の申告の正確さに直結するため、間違いは許されません 。経費精算システムの自動仕訳機能を活用すれば、過去の取引データをシステムが学習し、申請された経費の勘定科目を推定して自動で提案してくれます 。この機能により、経理担当者は手動での仕訳作業から解放され、勘定科目の選択ミスを未然に防ぐことができます 。仕訳作業が自動化されることで、経理担当者は支払い漏れや二重請求などのエラー検出といった、より高度なチェック作業に集中できるようになり、決算時期のリスクも軽減されます 。

モバイル端末を活用した「いつでも・どこでも」申請・承認

経費精算システムが提供する専用アプリやウェブブラウザを利用することで、経費申請は時間や場所の制約を受けなくなります 。出張が多い従業員や外出の多い担当者は、領収書を受け取ったその場でモバイル端末で撮影するだけで、即座にシステムに登録・申請できます 。これにより、申請書を溜め込んで締め日に追われる負担が軽減され、申請者は本来の業務に集中しやすくなります 。同様に、承認担当者も、外出先や出張先からリアルタイムで申請内容を確認し、承認作業を進めることが可能です 。このモバイル承認の仕組みは、決裁のスピードを向上させ、経費精算全体の停滞を防ぐ上で大きな利点となります 。

AIによる不正申請・規程違反の自動検知

デジタル化が進むことで、経費申請の効率化だけでなく、セキュリティとコンプライアンスの強化も図ることができます 。AI技術を活用したシステムでは、単に領収書を読み取るだけでなく、領収書情報や申請データをもとに、不正申請や社内規程に違反する可能性のある申請をAIが自動で検知する仕組みが構築されつつあります 。例えば、日付や金額の整合性、過去の申請パターンとの比較など、人が目視では見落としがちな異常をAIが自動で検出してくれます 。これにより、経理担当者はすべての申請を細かくチェックする必要がなくなり、不正やエラーを防ぎながら、業務の負担を軽減することが可能になります。

効率化の手段は複数ありますが、「どの詰まりを解消したいか」と「運用に載せられるか」で選び分けるのがポイントです。次の表で、自社に合う手段を整理してから進め方(3ステップ)へ移ると、導入後の手戻りを減らせます。

表:効率化手段の「選び分け」早見表

手段効きやすい課題導入のしやすさ注意点(つまずき)
入力項目・規程の見直し入力負荷/差し戻しの多発高い(すぐ着手)例外ルールを放置すると運用が戻る/判断基準の明文化が必要
モバイル申請・モバイル承認承認待ち/滞留の常態化中〜高承認者の運用定着(通知設計・期限ルール)が重要
AI-OCR(証憑読み取り)証憑入力の手間/入力ミス読み取り精度は証憑品質に依存/例外時の人手確認は残る
規程違反の自動検知・アラート差し戻し/不正・不備の見落としルールとマスタが整備されていないと誤検知が増える
会計連携(仕訳自動化・マスタ統一)経理のチェック工数/転記作業勘定科目・部門・プロジェクト軸の設計が不十分だと手戻りが増える
ワークフロー(経費精算システム)全体最適(申請〜承認〜経理)現場の例外運用を吸収できる設計が必要/導入後の運用ルールが肝
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経費申請の効率化を現場に定着させるための3ステップ

経費申請の効率化は、ツールを入れるだけでは定着しません。現状フローとルールの可視化→必要機能の選定→他システム連携の順で進め、スモールスタートで効果検証しながら広げることが成功の鍵です。

  • ステップ1:現状フローとルールを可視化し、詰まり地点を特定する
  • ステップ2:必要機能を選び、対象部門・対象業務から小さく試して検証する
  • ステップ3:運用ルールを整備し、会計連携まで含めて全体最適へ広げる

ステップ1:現状の業務フローと社内ルールの見直し・可視化

経費申請の効率化を成功させるためには、新しいシステムを導入する前に、まず自社の現状の業務フローと社内ルールを徹底的に見直すことから始める必要があります 。申請に不必要な項目がないか、承認ステップが多段階になっていないか、紙の領収書をすべて印刷・ファイリングするといった過剰な作業がないかを整理します 。現状の業務フローを可視化することで、どこに時間や労力のボトルネックがあるのかが明確になり、真に必要な情報と承認者の範囲を最小限に絞り込めます 。この見直し作業を怠ると、優れたツールを導入しても、部分的な改善に留まってしまう可能性があるため、経営層や管理部門が中心となり、現場の声を丁寧にヒアリングしながら着手することが重要です 。

ステップ2:必要な機能(AI-OCR、モバイル承認など)を備えたツールの選定

現状の業務フローの見直しを終えたら、次はそれを解決するために必要な機能を備えた会計ソフトや経費精算システムを選定します 。ツール選定の際には、自社が特に課題としている点を解決できる機能が備わっているかを重点的に確認する必要があります 。例えば、手入力によるミスが多い場合はAI-OCR機能、外出先からの申請・承認を増やしたい場合はモバイル承認機能、勘定科目ミスを減らしたい場合は自動仕訳機能の有無が重要になります 。また、高額なシステムを全社一斉に導入するのではなく、一部の部門から導入を始め、効果を検証するスモールスタートも有効な手段です。必要な機能と自社の業務プロセスに合ったツールを選び、現場での使いやすさを重視して検討を進めることが成功の鍵となります 。

ステップ3:会計・給与システムとの他システム連携の検討

経費精算システムを導入する際、単に申請業務だけを効率化するのではなく、企業全体のバックオフィス業務を効率化できるかという視点を持つことが重要です 。具体的には、経費精算システムと、既存の会計システムや給与計算システム、人事管理システムなどとの連携機能に注目して検討を進めるべきです 。これらのシステムが連携することで、経費データを重複して入力する手間や、システム間で書類を更新する際の遅延を減らすことができます 。経理担当者にとっては、お金の流れをダッシュボードで俯瞰できるようになり、データの正確性が向上するため、決算時期のリスクを軽減することにもつながります 。他システムとの連携は、経理業務全体、ひいては企業全体の生産性向上に貢献します。

以下の記事では、自社に合う経費精算システムを比較していますので参考にしてください。

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【失敗を防ぐ】効率化を進める際の注意点と課題解決の視点

デジタル化は強力な一方で、セキュリティ・法対応・現場定着を見落とすと、かえって運用が複雑化する恐れがあります。権限管理や保存要件、研修・サポート体制まで含めて設計し、「人の最終判断が必要な範囲」を明確にしながら進めることが重要です。

  • 運用設計:例外処理・差し戻し基準・最終判断の範囲を決めて属人化を防ぐ
  • 統制・安全:権限管理、監査ログ、セキュリティを前提に業務に埋め込む
  • 定着支援:研修・マニュアル・問い合わせ導線を整え、現場の迷いを減らす

セキュリティ・コンプライアンス体制の構築

AIやクラウド型の経費精算システムを導入する際には、セキュリティとコンプライアンス対策を徹底することが最も重要な注意点の一つです 。クラウドシステムは社外からのアクセスが増えるため、権限管理やデータの暗号化といった仕組みを万全に整える必要があります 。データが漏洩したり、不正アクセスを受けたりすれば、企業の信頼を大きく損なうことになりかねません。そのため、システム導入と並行して、安全な運用ルールを構築し、全社員に周知徹底することが求められます 。また、電子帳簿保存法などの法改正に対応したシステムを選定し、法令を遵守できる体制を整えることも、経理担当者として欠かせない視点です。

以下の記事では、電子帳簿保存法の保存要件と最新ポイントについて詳しく解説しているので参考にしてください。

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導入後の研修とサポート体制による現場定着

どれだけ優れた最先端の技術を導入しても、現場で社員がそのツールを十分に理解し、使いこなせなければ、期待した自動化の効果は得られません 。そのため、システム導入後には、全従業員に対して十分な研修や運用テストを計画的に行うことが不可欠です 。経費申請は全社員が関わる業務であるため、部署や職種に応じて、ツールの使い方や新しいルールの周知を徹底する必要があります 。また、導入後の問い合わせに対応できるサポート体制を整え、社員がスムーズにツールを利用できるよう支援することも重要です 。社員が自社の業務フローに合わせて運用できる体制づくりこそが、継続的な生産性向上の鍵となります 。

経営層と現場が連携した導入プロセスの重要性

経費申請の効率化は、経理部門だけの課題ではなく、企業全体の経営課題として捉える必要があります 。そのため、効率化を推進する際には、経理部門や管理部門だけでなく、経営陣も導入プロセスに深く関与することが重要です 。経営層は、効率化がもたらす決算の早期化や戦略的な意思決定への貢献といったメリットを理解し、その実現に向けてリーダーシップを発揮する必要があります 。同時に、現場の声を丁寧にヒアリングし、現場の業務フローを可視化しながらルールやツールを導入することで、現場に受け入れられやすい、実効性の高いプロセスを構築できます 。トップダウンとボトムアップを組み合わせたアプローチこそが、効率化を成功させるための重要な視点です。

よくある質問(FAQ)

最後に、経費申請の効率化を検討する際に、経理担当者がつまずきやすいポイントをQ&A形式で整理します。導入判断や運用設計の不安を、ここで解消しておきましょう。

  • 最初の一手:どこが詰まっているかを特定し、効く手段から段階導入する
  • 差し戻し対策:不備の定番パターンを潰し、事前チェックで未然に防ぐ
  • 導入判断:システムは“運用設計とセット”で、手戻りを防ぎながら進める

Q. 経費申請の効率化は、まず何から始めるべきですか?

A. まずは「差し戻しが多い理由」と「承認が止まる理由」を洗い出し、入力項目・規程・承認ルールを整理するのが近道です。そのうえで、モバイル承認やAI-OCRなど“詰まりの地点”に合う手段から小さく試すと、定着まで進めやすくなります。

Q. 差し戻しが多い会社で、最初に効きやすい改善はありますか?

A. 「入力項目の削減」「証憑添付ルールの統一」「不備を事前に検知する入力チェック(アラート)」の3つが、短期で効果が出やすい定番です。差し戻し理由が一定の場合は、ルールの明文化とテンプレ化だけでも改善が見込めます。

Q. 経費精算システムを入れれば、すぐに効率化できますか?

A. システム導入だけで自動的に改善するわけではなく、「承認ルール」「例外処理」「マスタ(科目・部門など)」を運用に載せる設計が必要です。導入前に詰まり地点を特定し、対象業務から段階導入すると手戻りを抑えられます。

Q. 電子化・ペーパーレス化で注意すべき点は何ですか?

A. 権限管理、監査に必要なログ、証憑の保存ルール(社内規程・法令対応)をセットで整備することが重要です。運用が属人化しないよう、チェック基準と例外時の処理(誰が・いつ・どう判断するか)まで決めておくと安心です。

Q. 効率化しても“最後は人が確認すべき”業務は残りますか?

A. はい。AI-OCRや自動検知で入力・一次チェックは効率化できますが、例外処理や最終判断は人の確認が前提です。重要なのは、人が判断すべき箇所を明確にし、それ以外を仕組み化して工数を減らすことです。

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まとめ

本記事では、経費申請(経費精算)の基本フローと詰まりやすい地点を踏まえ、効率化がもたらす企業価値の向上と具体的な進め方を解説しました。手作業や紙管理を放置すると、申請ミスや差し戻し、承認待ちによる滞留が発生し、経理だけでなく申請者・承認者の負担も増大します

押さえるべき前提:経費申請はフロー全体で捉え、詰まり地点を先に特定する
選び分け:立場別の課題と手段を整理し、自社に合う改善策を段階的に採用する
定着:ルール・統制・教育まで含めて運用に埋め込み、手戻りなく効率化を進める

一方で、社内ルールの見直しデジタル化(AI-OCR、モバイル申請・承認、自動検知など)を組み合わせれば、入力・確認・承認の工数を抜本的に圧縮し、月次決算の早期化や健全な体制維持にもつながります。まずは業務プロセスを可視化し、表で整理した「詰まり地点」と「手段の選び分け」をもとに、現場の声を反映させながら自動化・デジタル化への第一歩を踏み出しましょう。

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