帳票管理

領収書のスキャンで原本の即時破棄が可能に!保存要件やメリット・デメリットを解説!

公開日:2022.06.01更新日:2022.08.09

領収書のスキャナ保存のやり方について正しく理解していますか。電子帳簿保存法の改正によって、領収書の電子化に関する要件が変更され、どう対応したらいいかわからない方もいるでしょう。電子化についてよく理解できず、紙の保存からなかなか移行できないケースもあります。

ただし、わからないで済ませてしまうのは問題です。理解が正しくないと無駄な業務を長時間行ってしまったり、法的に問題がある方法で保存してしまったりするかもしれません。領収書は重要書類なので、正確な保存方法を理解する必要があります。

この記事では領収書のスキャナ保存について、メリット・デメリットを踏まえながら解説します。領収書のスキャン方法や作業効率化について理解できますので、ぜひ参考にしてみてください。

電子帳簿保存法のスキャナ保存制度とは?

そもそも電子帳簿保存法は、1990年代にパソコンが普及し、需要が増えたのがきっかけで、法律が制定されました。法改正も数回行われており、2022年の改正ではスキャナ保存制度の条件が緩和されています。

スキャナ保存制度は、特定の条件を満たした場合に、取引で発生する紙の書類を電子データで保存できるという制度です。スキャナや複合機でスキャンしたデータや、スマートフォンやデジタルカメラのデータでの保存が認められます。

電子帳簿保存法では、スキャナ保存をする上で満たすべき要件が規定されており、要件に沿ったデータ保存が求められています。電子保存の際の「真実性の確保」「可視性の確保」を担保するために、解像度や色の階調など要件の内容は細かく規定されています。また、書類の重要度の違いによっても保存方法が違うため、正しい理解が求められます。

スキャナ保存制度によって得られるメリットは大きく、紙の領収書保存が不要になり、管理の負担が軽減されました。条件が徐々に緩和されており、スキャナ保存のさらなる活用が期待されています。

領収書の原本保管は不要?電子化が推奨されつつある背景

領収書の原本を保管するのはコスト面や場所の確保など業務面の負担が大きいものでした。紛失や紙の劣化などで、保存状況を確認できないという問題点があり、そのような状況を変えるために法律が制定されました。

度々の改正でスマートフォンでのスキャナ保存が認められるなど、導入へのハードルが低くなってきましたが、原本保管が義務付けられていたり、同一データかどうかを確認するために複数の担当者が必要だったりと負担が多く、業務上の課題が残っていました。

そのような経緯の中で行われたのが2022年の法改正です。2022年の法改正ではスキャナ保存に関して大幅な内容変更がありました。タイムスタンプ要件が最長2ヵ月と7営業日に緩和され、適正事務処理案件が廃止、原本の即時廃棄が認められました。

また、検索項目が「日付・金額・取引先」の3つに緩和され、税務署長の承認も不要となるなど、領収書の電子データ化を導入しやすい環境が整いつつあります。紙による保存の負担を考えて、徐々に電子化への条件が緩和されており、導入しやすくなっているのが現状です。

領収書をスキャンするための保存要件とは?

紙の領収書をデータ化する場合はスキャナ制度の保存要件を満たさないといけません。領収書は資金や物の流れに直結する重要書類に分類されており、見積書や注文書など資金や物の流れに直結しない一般書類より要件が厳しいです。

重要書類は入力期間の制限があったり、大きさに関する情報を保存する必要があるなどの点が一般書類の要件とは違います。具体的にどのような点が違うのかを下記表にまとめています。

項目重要書類一般書類
入力期間受領後、速やか(7日以内)に入力
規定を定めている場合は2ヵ月経過後速やか(7日以内)に入力
適時入力
解像度200dpi以上の読み取り必要必要
タイムスタンプの付与必要
(入力期限内に電子データの保存が確認可能なクラウドシステムなどがあれば不要)
必要
(一定条件下では不要)
解像度、階調情報の保存必要必要
大きさ情報の保存必要
(A4サイズ以下は保存不要)
不要
ヴァージョン管理必要必要
入力者情報の確認必要必要
スキャン文章と帳簿の相互互換性必要必要
見読可能装置14インチ以上のカラーディスプレイと4ポイント文字の認識14インチ以上白黒対応可、4ポイント文字の認識
整然・明瞭出力必要必要
電子計算処理システムの開発関係書類の備え付け必要必要
検索機能の確保必要必要

領収書を電子保存するメリット5つ

領収書を電子保存するメリットは大きく5つあります。紙での保存と比較してメリット面は大きく、様々な負担が軽減されます。紙保存と電子保存を比較しながら、以下では電子保存のメリットを解説します。

①劣化が起こらない

電子保存では書類の劣化が起こらない点がメリットです。紙保存では劣化してしまうと文字や金額が読み取れなくなります。また、持ち運びや被災などで重要な情報が紛失しやすいなどのデメリットがありました。

電子保存する場合はデータ流出などのデメリットはあるものの、バックアップも可能で、文字が読めなくなるリスクはありません。情報が読み取れなくなる可能性は極めて低いです。

データの管理にだけ注意しておけば、劣化せずにデータを保存できます。

領収書を保存するスペースや人件費等のコストを削減できる

紙での保管で必要だった場所や、紙保存にかかる場所代や台紙代、整理のための人件費などを削減できる点もメリットです。通常はファイルに保管するなどしますが、そのような保管方法だと膨大な費用がかかってしまいます。

ファイルに1枚1枚保管するとなると時間がかかり、他の業務への影響も出ますが、データの場合は保管場所が必要ありません。専用のスペースを作る必要がなく、パソコン一台で作業できるので、人員も削減できます。

③監査や内部調査時などの資料検索が楽になる

監査や調査で資料検索が楽になる点もメリットです。紙の場合はファイルなどから資料を探す必要があり、膨大な時間を費やしてしまうかもしれません。何時間も1枚の領収書を探し続けるケースもあるでしょう。

電子データの保存要件では検索項目が定められているので、書類が見つかりやすくなります。早い場合は数秒で見つけられ、作業時間の無駄を削減できます。

④オフィス以外でも領収書データの確認ができる

オフィス以外でもデータにアクセスできる機器があれば、データの確認ができます。スマートフォンで保存できるので、システム次第では外出先からも手続きが簡単です。

オフィスに出勤して領収書を探す必要がなくなるので、テレワークや在宅勤務に対応しやすいです。領収書を提出する手間が省けるので、無駄な時間の削減につながります。

⑤経費精算などの会計処理が効率化できる

原本の即時破棄が認められているので、突合作業や経費精算などの手間のかかる作業が削減できます

紙の領収証と照合する作業はとても労力がかかり、人為的なチェックが多くなるため、ミスの確率も高くなります。そのような手間やミスを減らし、効率化できる点が電子保存をするメリットです。

領収書保存を電子化するデメリット2つ

電子化のデメリットとしては社員への周知徹底や導入コストの面が挙げられます。長く運用していけば問題はなくなっていきますが、導入段階ではミスやトラブルが起きやすいです。

スキャン方法の共有やコスト面のデメリットについて、この章では具体的に解説します。

申請者に領収書のスキャン方法を共有する必要が生じる

紙保存から切り替える際に共有しないといけない点がデメリットです。紙保存に慣れていた社員など、申請者に撮影方法などの新しい申請フローを共有しなければならないため、導入に時間や手間がかかります。

また、初期段階では保存に手間取ったり、操作方法のミスがあったりと問題点が浮き彫りになるケースもあります。導入から期間が経てば問題なくなることが多いですが、導入初期はトラブルが多いです。

導入初期の周知徹底やシステムの共有が電子化のデメリットだと言えます。

電子化するための下準備に経費精算などの費用が発生する

領収書を電子保存する上で、電子帳簿保存法に対応したシステム(経費精算システム)を導入する必要が生じます。導入に伴い、コストがかかることは否めないでしょう。一方、効率化や法対応を検討する上で、単純な「費用」ではなく「費用対効果」の視点を持つべきであるとも言えます。

TOKIUM経費精算は、従業員数にかかわらず、領収書のデータ化枚数に応じた料金体系で利用可能な経費精算システムです。電子帳簿保存法への対応と業務効率化を実現したい方は、ぜひご検討ください。

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まとめ

領収書のスキャナ保存は法改正により、導入しやすくなりました。要件が緩和されたり、業務が簡略化されたりと電子化への環境が整いつつあります。また、電子化は紛失のリスクや劣化のリスクが少なく、長期間保存しやすいです。

一方で、電子化への対応を社員に共有しないといけない点や会計ソフトの導入に費用がかかる点などデメリットもあります。メリット面とデメリット面を考慮して、一番いい導入の仕方を検討しましょう。

電子化をより効率化するにはシステムの導入という選択肢もあります。「TOKIUM経費精算」などペーパーレス化に近づけられるシステムもありますので、選択肢に入れてみてください。

電子帳簿保存法の改正内容は複雑です。内容をしっかり理解した上で、効率よく領収書を保存しましょう。

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