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「リース資産と償却資産税の関係がよくわからない…」「どのリース契約が償却資産税の対象になるのか知りたい…」そう思う方もいるのではないでしょうか。実は、リース資産の種類や契約内容によって、償却資産税の課税対象かどうかが決まります。正しい知識を持つことで、適切な会計処理と税務対応が可能になります。
リース資産の償却資産税は、まず契約類型でだれが申告者かを確定します。基準日は毎年1/1(賦課期日)、原則1月中に設置先自治体へ申告、税率は標準1.4%です。申告はeLTAXで対応可能。中小企業の先端設備等導入計画による軽減もありますが、実施有無・軽減率・期間は自治体条例で異なるため、最新の案内を必ず確認してください。
リース資産と償却資産税の基本概念
企業が事業に使用する資産を取得する方法のひとつにリースがあります。リース取引は会計上と税務上で異なる扱いがあり、経理担当者は償却資産税との関連性を正確に理解する必要があります。
財務諸表の適正表示のためには、リース資産に対する償却資産税の基本概念を把握し、適切な会計処理と税務申告を行うことが求められます。特に地方税の一つである償却資産税はリース資産にも課税される場合があるため、その関係性の理解は経理業務において不可欠です。
リース資産とは何か?
リース資産とは、リース会社から賃借した設備や機械などの有形固定資産のことです。会計基準上、一定の条件を満たすリース取引はオンバランス処理が必要となり、貸借対照表に「リース資産」として計上されます。
このリース取引は実質的に資産を購入する場合と同様の経済効果をもたらすため、法的な所有権はリース会社にあっても、会計上はリース利用者が資産として認識します。
リース期間にわたって費用配分される点が特徴で、企業の財政状態を適切に表示するための重要な会計処理となっています。
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償却資産税の概要
償却資産税は地方税法に基づく固定資産税の一種で、企業が事業のために所有する機械・設備・器具・備品などの償却資産に対して課される税金です。
毎年1月1日時点で所有する償却資産について、その所在する市町村に申告し納税する義務があります。税額は資産の評価額に1.4%の標準税率を乗じて算出されます。
土地や建物と異なり、企業が所有する事業用資産が対象となるため、経理担当者は自社の保有資産を正確に把握して適切に申告する必要があります。
リースと償却資産の違い
リースと償却資産の大きな違いは所有権の所在にあります。リース取引では法的所有権はリース会社に帰属しますが、会計上は利用実態に応じて資産計上される場合があります。
一方、償却資産は法的所有権を持つ者が納税義務者となります。ただし、所有権移転ファイナンス・リースの場合はリース利用者が、所有権移転外ファイナンス・リースの場合はリース会社が納税義務を負うという違いがあります。
経理担当者はこの違いを理解し、自社が納税義務を負うべきリース資産を正確に把握することが重要です。
リース類型×納税義務者 早見表
| 契約類型 | 法的所有者 | 会計処理(要約) | 償却資産税の申告者 | 申告書の「所有者」欄 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| 所有権移転ファイナンス・リース | 借手(移転前提) | 資産計上・負債計上 | 借手 | 借手名(契約者) | 通常は借手が申告主体 |
| 所有権移転外ファイナンス・リース | 貸手(満了時返却) | 資産計上・負債計上 | 貸手(リース会社)※原則 | リース会社名(借手の申告書には記載しない) | 借手側は申告不要が原則。無償・低額譲渡の特約がある場合は借手申告(自治体の手引で最終確認) |
| オペレーティング・リース | 貸手 | 費用処理(賃貸借) | 貸手 | 貸手名(所有者) | 借手は通常申告不要 |
| 少額・短期のリース(20万円未満 等) | 契約に依存 | 一括/少額償却の選択あり | 対象外になり得る | ― | 会計方針・契約条件で判断 |
出典:償却資産におけるリース資産の申告義務|青森市(最終確認日:2026年8月4日)
リース資産の種類とその扱い
リース資産は契約内容によって税務上の取扱いが大きく異なります。
企業の経理担当者は、所有権移転リース、ファイナンス・リース、所有権移転外ファイナンス・リースといった種類を正確に区分できなければなりません。
それぞれのリース資産にはそれぞれ固有の処理方法があり、償却資産税の納税義務者や申告方法も異なってきます。
特に2007年度の会計基準変更以降、リース取引の会計処理と税務処理の乖離が生じているため、経理担当者は両方の観点から理解を深める必要があります。
以下の記事では、新リース会計基準の変更点・影響・実務対応について詳しく解説していますので参考にしてください。
所有権移転リースとその特徴
所有権移転リースは、リース期間終了後にリース資産の所有権がリース会社からリース利用者へと移転する契約形態です。このタイプのリースでは、実質的に割賦購入と同様の経済効果があるため、会計上も税務上もリース利用者が自社の資産として認識します。
減価償却においては自己所有の固定資産と同様に耐用年数を設定し、選択した償却方法で償却を行います。償却資産税についてもリース利用者が納税義務者となり、毎年の申告が必要となるため、経理担当者は資産管理台帳に正確に記録しておく必要があります。
ファイナンス・リースの定義
ファイナンス・リースとは、リース期間を通じて資産の使用権を実質的に得るリース取引のことです。
具体的には、リース期間がその資産の経済的耐用年数の大部分を占める場合やリース料総額の現在価値がその資産の公正価値とほぼ等しい場合に該当します。
あわせて、リース期間の中途で契約を解約できない(解約不能)ことも要件の一つです。実務では、この解約不能と、資産の使用に伴う費用やリスクを実質的に負担する(フルペイアウト)の両方を満たすかどうかでファイナンス・リースを判定します。
このタイプのリースは、会計上は資産・負債として計上する必要があります。企業は貸借対照表にリース資産とリース債務を計上し、損益計算書には減価償却費と支払利息が計上されます。
経理担当者はこの会計処理を適切に行い、財務諸表に反映させる責任があります。
所有権移転外ファイナンス・リースの仕組み
所有権移転外ファイナンス・リースは、リース期間終了後も所有権がリース会社に残るタイプのリース契約です。会計上はファイナンス・リースとして資産計上が必要ですが、税務上は一定の要件を満たせば賃貸借取引として処理できる特例があります。
償却資産税については、原則としてリース会社が納税義務者となりますが、市町村によっては契約内容に応じてリース利用者に申告を求める場合もあります。
経理担当者は地方自治体の取扱いを確認し、リース会社との契約内容を精査して、適切な申告を行う必要があります。
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リース資産に関する償却資産税の申告の流れ
リース資産に関する償却資産税の申告は、適切な手続きと正確な書類作成が求められる重要なプロセスです。経理担当者は毎年12月から1月にかけて申告準備を進める必要があります。
まず申告対象となるリース資産を特定し、必要な情報を収集して申告書を作成します。近年は電子申告も普及してきており、効率的な申告が可能になっています。
申告漏れがあると追徴課税のリスクがあるため、リース契約書の管理と資産台帳の整備を日頃から徹底しておくことが重要です。
償却資産税 年次カレンダー

申告対象となるリース資産の整理
償却資産税の申告対象となるリース資産を整理する際は、まずリース契約書を確認し、契約の種類を特定することから始めます。所有権移転リースの場合はリース利用者が、所有権移転外ファイナンス・リースの場合は原則としてリース会社が申告義務を負います。
ただし、申告義務者(借手か貸手か)の判定は契約類型によるため、契約内容が不明確な場合は所在地の市町村税務課やリース会社に確認することが重要です。
申告対象となる金額の下限は全国一律で定められています。取得価額10万円未満で一時に損金算入した少額償却資産と、取得価額10万円以上20万円未満で一括償却資産(3年均等償却)を選択した資産は、償却資産税の申告対象外です。一方、これらの資産でも通常の減価償却を行う場合は、10万円以上であれば申告対象になります。なお、所有権移転外ファイナンス・リースのリース資産については、平成20年4月1日以後に契約したもので取得価額20万円未満であれば申告対象外です。
経理担当者は最新の取扱いを把握しておく必要があります。
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償却資産税の申告書の記入方法
償却資産税申告書の記入にあたっては、まず該当するリース資産の情報を正確に把握することが重要です。申告書には資産の名称、種類、取得年月、取得価額、耐用年数などを記入します。特にリース資産の場合は、契約形態に応じて「所有者」欄の記入が異なるため注意が必要です。
また、前年から継続している資産と新規取得資産を区別して記入し、除却した資産については除却理由と日付を明記します。記入漏れや誤りがないよう、リース契約書と照合しながら慎重に作業を進めることが経理担当者には求められます。
電子申告の手続き
償却資産税の電子申告は、eLTAX(地方税ポータルシステム)を通じて行うことができます。
電子申告を利用するには、まずユーザーIDとパスワードを取得し、必要なソフトウェアをインストールする必要があります。申告データは専用のソフトウェアで作成するか、会計ソフトから出力したデータを変換して利用できます。
電子申告のメリットとしては、24時間申告可能な点や、記入ミスの自動チェック機能がある点が挙げられます。リース資産の申告においても、契約内容や資産情報を正確に入力し、添付書類が必要な場合は電子ファイルで添付できます。
以下にチェックリストを掲載しますので、申告前の最終確認にご活用ください。
eLTAX入力チェックリスト
| 項目 | 確認元(どこを見る?) | 落とし穴 | 確認欄 |
|---|---|---|---|
| 資産の所在地 | 契約書・設置台帳 | 拠点移動の未反映 | □ 確認済 |
| 資産区分(機械/器具備品 等) | 固定資産台帳 | 区分誤りで評価がズレる | □ 確認済 |
| 取得年月日・取得価額 | 契約書・請求書 | 端数処理の不一致 | □ 確認済 |
| 耐用年数・償却率 | 社内ポリシー/税務便覧 | 会計と税の混同 | □ 確認済 |
| 所有者欄の記載 | 契約類型(判定結果) | 借手/貸手の取り違え | □ 確認済 |
| 提出先自治体の選択 | 設置場所の自治体名 | 旧自治体の選択ミス | □ 確認済 |
出典:固定資産税(償却資産)申告の提出に係る特設ページ|eLTAX 地方税ポータルシステム(最終確認日:2026年8月4日)
以下の記事では、eLTAXの導入方法から共通納付までを詳しく解説していますので参考にしてください。
リース資産に関する償却資産税の特例・減免制度
リース資産に関する償却資産税には、企業の負担軽減を目的とした様々な特例や減免制度が設けられています。経理担当者はこれらの制度を理解し、適切に活用することで企業の税負担を最適化できます。
特に中小企業や特定の事業に対する減免措置、災害時の特例などがあり、適用条件を満たす場合は申請手続きを行うことが重要です。制度の内容は定期的に見直されるため、最新情報を常に把握しておく必要があります。
リース資産税の減免特例
リース資産に対する償却資産税には、一定の条件を満たす場合に適用できる減免特例があります。
例えば、中小企業が先端設備等を導入する際に「先端設備等導入計画」の認定を受けて対象設備を取得すると、その設備に係る固定資産税(償却資産税)の課税標準が軽減される特例措置を利用できます。軽減の内容は、賃上げの表明を「1.5%以上」とする場合は3年間、課税標準を2分の1に、「3.0%以上」とする場合は5年間、課税標準を4分の1に軽減するもので、適用期間は令和7年4月1日から令和9年3月31日までの取得分です(下表参照)。
また、省エネルギー設備や環境配慮型設備に対する軽減措置も各自治体で実施されていることがあります。これらの特例を活用するには、事前に認定申請や計画書の提出が必要です。
経理担当者は設備投資の計画段階から減免特例の適用可能性を検討し、申請手続きを漏れなく行うことが求められます。
中小企業向け:先端設備等導入計画の軽減(概要)
| 賃上げの表明 | 軽減率 | 期間 | 対象設備(例) | 申請タイミング | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1.5%以上 | 課税標準 1/2 | 3年間 | 機械装置・器具備品 等 | 取得前に計画認定 | 自治体条例で内容が異なる |
| 3.0%以上 | 課税標準 1/4 | 5年間 | 同上 | 同上 | 認定後の取得が原則 |
| 該当なし | 対象外 | ― | ― | ― | 他の減免制度の確認可 |
出典:先端設備等導入計画策定の手引き(令和7年度税制改正後)|中小企業庁(最終確認日:2026年8月4日)
地方税法による特例
前述の先端設備等導入計画にもとづく課税標準の特例は、地方税法(および中小企業等経営強化法)を根拠とする制度です。対象設備の課税標準を、賃上げ表明の水準に応じて3年間は2分の1、または5年間は4分の1に軽減できます。いずれも取得前に市区町村から計画の認定を受けることが要件です。
また、償却資産税における課税最低限度額(免税点)も定められており、一定金額以下の場合は課税されません。
具体的には、同一市町村内に所在する償却資産の課税標準額の合計が150万円未満の場合は課税されません(地方税法に基づく全国共通の免税点)。ただし、自治体は資産の所有状況を把握するため、免税点未満であっても申告自体は必要です。
出典:固定資産税(償却資産)|東京都主税局(最終確認日:2026年8月4日)
経理担当者はこれらの制度内容と適用要件を理解し、資産の性質や企業規模に応じた特例の適用を検討すべきです。自治体ごとに運用が異なる場合があるため、所在地の税務課への確認も必要です。
出典:償却資産におけるリース資産の申告義務|青森市(最終確認日:2026年8月4日)
リース資産における軽減措置
リース資産に関しては、除却や中途解約によって賦課期日(1月1日)時点に保有していない資産は、翌年度の申告対象から外れます。これは特別な軽減措置ではなく、1月1日時点の保有資産に課税する賦課期日主義による扱いです。また、保守・修繕などの役務が付帯するリース契約では、リース料に含まれるサービス料部分は資産の取得価額に含まれないため、償却資産税の課税対象外となる場合があります。
さらに、一部の自治体ではリース資産に対する独自の減免制度を設けていることもあります。経理担当者はリース契約締結時に税負担を考慮した契約内容の検討を行い、適用可能な軽減措置があれば積極的に活用することが重要です。
申告時には適用条件を満たしていることを証明する書類の添付が必要な場合もあります。
リース資産に関する償却資産税の計算方法と申告
償却資産税の正確な計算と申告は、経理担当者の重要な業務の一つです。特にリース資産については、その種類や契約内容によって計算方法が異なるため、正確な知識が求められます。
償却資産税は原則として資産の評価額に税率を乗じて算出しますが、評価額の算定には減価償却の考え方が用いられます。また、申告対象となる資産の見極めと適切な記入方法を理解しておくことで、適正な申告が可能となります。期限内の正確な申告を心がけましょう。
減価償却の計算式
償却資産税における評価額の算定は、基本的に前年度の評価額から当年度の減価償却額を差し引く方法で行われます。
具体的には、資産を取得した年の翌年(最初の賦課期日)は、取得月にかかわらず半年分を減価させ「取得価額×(1−減価率÷2)」で評価します。その後は毎年「前年度評価額×(1−減価率)」で評価額が下がっていきます。ここでの減価率は、資産の耐用年数に応じて定められた率です。
ただし、評価額は取得価額の5%を下限としており、それ以下には下がりません。
リース資産の場合も同様の計算方法が適用されますが、所有権移転リースと所有権移転外ファイナンス・リースでは耐用年数や償却率が異なることがあるため、契約内容を確認して適切な計算を行う必要があります。
申告対象となる資産の見極め方
償却資産税の申告対象となる資産を見極める際には、いくつかの判断基準があります。まず、事業の用に供している資産であること、取得価額が一定額以上であること、法定耐用年数が1年以上であることなどが条件となります。
リース資産の場合は契約形態に注目し、所有権移転リースはリース利用者が、所有権移転外ファイナンス・リースは原則としてリース会社が申告義務者となります。ただし、自治体によっては異なる取扱いをしている場合もあるため、事前確認が重要です。
また、無形固定資産や税法上一括償却資産として扱われるものなど、判断が難しい資産については専門家への相談も検討しましょう。
科目区分×申告書入力欄 対応表
| 社内科目 | 代表的な資産例 | 申告書の主な入力欄 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 機械装置 | 生産設備・ポンプ 等 | 機械及び装置 | 型式・台数の整合性に注意 |
| 器具備品 | 複合機・PC・什器 | 工具・器具及び備品 | リース資産の台数管理が鍵 |
| 構築物 | 看板・配管 等 | 構築物 | 建設仮勘定の振替漏れ注意 |
| 車両運搬具 | フォークリフト 等 | 車両及び運搬具 | 自動車税との混同注意 |
減価償却資産の申告書記入方法
減価償却資産の申告書記入では、まず資産の分類(機械及び装置、器具及び備品など)を正確に行うことが重要です。次に前年中の増加資産と減少資産を区分し、それぞれの取得時期や取得価額、除却理由などを記入します。
リース資産については、契約形態に応じて所有者欄の記入が異なりますので注意が必要です。特に新規取得資産の場合は、取得価額、取得年月日、耐用年数を正確に記入し、必要に応じて明細書や契約書の写しを添付します。
電子申告の場合も同様の情報が必要となりますが、入力支援機能を活用することで効率的に作業を進めることができます。
各種リース契約のメリット・デメリット
企業がリース契約を検討する際には、各種リース形態のメリットとデメリットを理解し、自社の状況に最適な選択をすることが重要です。ファイナンス・リースとオペレーティング・リースでは会計処理や税務上の取扱いが大きく異なります。
また、リース期間中の解約や変更が必要となった場合の対応も契約形態によって異なるため、契約締結前に十分な検討が必要です。経理担当者は財務諸表への影響や税負担も考慮しながら、最適なリース契約の選択をサポートする役割を担っています。
ファイナンス・リースの利点
ファイナンス・リースの最大の利点は、多額の初期投資なしに最新設備を導入できる点にあります。自己資金や借入金に頼らずに設備投資が可能となるため、資金繰りの改善や財務バランスの維持に貢献します。
費用計上の面では、所有権移転外ファイナンス・リースは原則として売買取引に準じて処理し、減価償却費と支払利息を費用として計上します(中小企業などが賃貸借処理を選択した場合は、支払うリース料を損金に算入します)。いずれの場合もリース料が固定されているため将来の支出計画が立てやすく、資金計画の安定化にも寄与します。
償却資産税についても、所有権移転外ファイナンス・リースの場合は原則としてリース会社が納税義務を負うため、リース利用者の事務負担が軽減される点も魅力です。
オペレーティング・リースの特徴
オペレーティング・リースは、リース期間が比較的短く、資産の経済的耐用年数の一部しかカバーしないリース形態です。会計上は通常の賃貸借として処理され、貸借対照表に資産・負債を計上する必要がないため、財務諸表上のバランスシート圧縮効果があります。
また、定期的な機器更新が可能で、陳腐化リスクを軽減できる点も大きな特徴です。償却資産税についてはリース会社が納税義務者となるため、利用企業に申告・納税の事務負担は生じません(ただし、税相当額はリース料に反映される場合があります)。
なお、2024年9月13日に公表された新リース会計基準(企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」)が適用されると、借手はオペレーティング・リースについても原則として使用権資産・リース負債を計上することになります(強制適用:2027年4月1日以後開始する連結会計年度・事業年度、早期適用:2025年4月1日以後開始する連結会計年度・事業年度から可能)。ここで述べた「貸借対照表に資産・負債を計上する必要がない」という特徴は適用後に変わるため、契約検討時は適用スケジュールも踏まえて判断してください。ただし、会計上オンバランスとなっても償却資産税の納税義務者は法的な所有者(原則リース会社)のまま変わりません。
出典:企業会計基準委員会「企業会計基準第34号『リースに関する会計基準』等の公表」(最終確認日:2026年8月4日)
短期間での利用を前提とした情報機器や、技術革新の早い設備などに適した契約形態であり、柔軟な設備計画を立てたい企業に向いています。
リース途中での終了や返還の考慮すべき点
リース契約の途中解約や返還を検討する際は、いくつかの重要な点を考慮する必要があります。まず、多くのリース契約には中途解約時の違約金条項が設けられており、残りのリース料の大部分を支払う必要が生じる場合があります。
また、会計上はリース資産とリース債務の除却処理が必要となり、場合によっては特別損失が発生することもあります。償却資産税については、中途解約した資産の申告修正が必要かどうかを自治体に確認する必要があります。
設備の返還時には原状回復費用が発生する可能性もあるため、解約を検討する際は財務的影響を総合的に評価することが重要です。経理担当者は契約書の解約条項を事前に確認し、適切なアドバイスを行うべきです。
以下の記事では、固定資産の除却処理のポイントと仕訳について詳しく解説していますので参考にしてください。
リース契約の解約に関する注意点
リース契約の解約を検討する際には、経理担当者として複数の重要な注意点を把握しておく必要があります。まず契約書に記載された解約条件や違約金の算定方法を確認し、財務的な影響を事前に評価することが重要です。
また、解約時には会計処理や税務申告の修正が必要となる場合があり、特に償却資産税については自治体への届出が必要なケースもあります。解約のタイミングや手続きの流れを理解し、計画的に対応することで、不必要なコストや手続きの混乱を避けることができます。
経営判断をサポートするためにも、解約に伴う影響を多角的に分析しましょう。
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リース資産の償却資産税・新リース会計基準への対応ならTOKIUM契約管理
リース資産と償却資産税の関係性は、経理担当者にとって重要な知識です。リース契約の種類によって会計処理や税務上の取扱いが異なり、償却資産税の納税義務者や申告方法も変わってきます。
所有権移転リースではリース利用者が、所有権移転外ファイナンス・リースでは原則としてリース会社が納税義務を負います。適切な申告のためには、リース契約の内容を正確に把握し、資産管理台帳を整備することが不可欠です。
また、各種特例や減免制度を活用することで税負担の最適化も可能です。リース契約の締結時から解約時まで、経理担当者はライフサイクル全体を通じた適切な管理と申告を心がけましょう。
ここまで見てきたとおり、リース資産の償却資産税は「契約類型の判定」がすべての起点であり、その判定根拠となるのはリース契約書です。契約書が拠点や部門ごとに分散していると、申告者の判定ミスや拠点移動の反映漏れといった申告誤りが起こりやすくなります。さらに、2027年4月1日以後開始する事業年度から強制適用される新リース会計基準(企業会計基準第34号)への対応でも、自社のリース契約を漏れなく洗い出すことが最初の関門になります。
TOKIUM契約管理は、紙・電子が混在する契約書を一元管理し、全文検索や契約期限のアラートによって、契約書に記載された対象資産や設置場所、リース期間を必要なときに確認しやすくするサービスです。償却資産税の申告実務から新リース会計基準対応まで、リース契約の管理体制づくりをご検討中の方は、以下の資料で機能の詳細をご覧ください。
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リース資産の償却資産税に関するよくある質問
Q1. 借りているリース資産について、借手(利用者)が償却資産税を申告しなくてよいのはなぜですか?
A. 償却資産税(固定資産税)は資産の法的な所有者に課される地方税だからです。所有権移転外ファイナンス・リースやオペレーティング・リースでは所有権がリース会社に残るため、原則としてリース会社が申告・納税します。一方、リース期間終了後に資産が無償または低額で譲渡される契約(所有権移転リース等)は実質的な売買として扱われ、借手(利用者)側が申告します。契約書の譲渡条件を確認したうえで、最終的には提出先自治体の手引に従ってください。
出典:償却資産におけるリース資産の申告義務|青森市(最終確認日:2026年8月4日)
Q2. 新リース会計基準が適用されると、償却資産税の申告は変わりますか?
A. 変わりません。2024年9月13日に公表された企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」(強制適用:2027年4月1日以後開始する連結会計年度・事業年度、早期適用:2025年4月1日以後開始から可能)により、借手は会計上、オペレーティング・リースを含む多くのリースで使用権資産を計上することになります。しかし償却資産税の納税義務者は資産の法的な所有者を基準に判定されるため、会計上のオンバランス化によって借手に申告義務が生じるわけではありません。ただし、借手(テナント)が自ら取り付けた内装・造作・建築設備は従来どおり借手の申告対象である点に注意してください。
出典:企業会計基準委員会「企業会計基準第34号『リースに関する会計基準』等の公表」(最終確認日:2026年8月4日)
出典:固定資産税(償却資産)|東京都主税局(最終確認日:2026年8月4日)
Q3. 償却資産税が課税されないのはどのような場合ですか?
A. 主に3つあります。①同一市町村内の課税標準額の合計が150万円未満の場合(免税点。ただし申告自体は必要)、②平成20年4月1日以後に締結されたリース契約のうち取得価額20万円未満のリース資産(申告対象外)、③耐用年数1年未満または取得価額10万円未満で一時に損金算入した資産等。自社がどれに該当するかは、資産台帳とリース契約書を突き合わせて判定します。
出典:固定資産税(償却資産)|東京都主税局(最終確認日:2026年8月4日)
出典:償却資産におけるリース資産の申告義務|青森市(最終確認日:2026年8月4日)
Q4. 複数の拠点にリース資産がある場合、申告はどうすればよいですか?
A. 償却資産税は資産の設置場所(所在地)の市町村ごとに、毎年1月1日時点の状況を1月31日までに申告します。拠点間で資産を移動した場合に申告へ反映されていないケースは、申告誤りの典型例です。多拠点で事業を展開する企業ほど、リース契約書と資産台帳を一元管理し、「どの契約の資産が・どの拠点にあるか」を常に把握できる体制づくりが、正確な申告と内部統制の両面で重要になります。
出典:固定資産税(償却資産)|東京都主税局(最終確認日:2026年8月4日)



