経理DX促進

タイムカードのペーパーレス化とは?メリット・進め方・法律・選び方を解説

更新日:2026.07.07

この記事は約 6 分で読めます。

タイムカードペーパーレス_電子化

紙のタイムカードには、毎月の回収と集計、エクセルへの転記、そして数年にわたる保管という負担がつきまといます。タイムカードのペーパーレス化は、これらをクラウド上の打刻と自動集計に置き換える方法です。月末の集計作業がほぼ不要になり、労働時間もリアルタイムで把握できます。テレワークや直行直帰でも正確に勤怠を記録でき、保管スペースもいりません。

→ダウンロード:経理のペーパーレス化って本当に必要?

一方で、導入コストや移行の手間、システム障害への備えといった注意点もあります。メリットと注意点、保存義務をめぐる法律、自社に合う打刻方法の選び方までを順に整理します。

タイムカードのペーパーレス化とは

タイムカードのペーパーレス化とは、紙のタイムカードをやめ、PCやスマートフォン、ICカードなどで打刻した勤怠データを電子的に記録・管理する仕組みです。打刻の瞬間にデータが蓄積されるため、月末にカードを集めて手入力する工程がなくなります。打刻と同時に勤怠データが自動で集計されます。

打刻の手段はクラウド型の勤怠管理システムが主流で、出退勤や残業、休暇の申請までを一つの画面で扱えます。紙とタイムレコーダーを置き換えるだけでなく、勤怠にまつわる手作業そのものを減らせる点が、単なる電子化との違いです。

紙のタイムカードでは、打刻のかすれや押し忘れ、集計時の読み間違いといったミスが避けにくく、確認や差し戻しに時間がかかります。電子化すると、打刻漏れをその場で通知したり、必要な項目の入力を促したりできるため、後からの修正そのものを減らせます。

まず電子化できる勤怠業務

電子化の対象は打刻だけではありません。出退勤の記録から集計、申請・承認、保存までが一続きで自動化できます。手作業が残りやすい集計と転記から置き換えると効果を実感しやすいです。

▼ 電子化できる勤怠業務の例

紙での業務ペーパーレス化したあと
タイムカードへの打刻スマホ・PC・ICカードなどで打刻し即時にデータ化
月末の集計・残業計算労働時間や残業を自動集計
出勤簿への転記・押印システム上に記録が残り転記が不要
休暇・残業の申請と承認画面上で申請から承認まで完結
タイムカードのファイリング・保管データで保存し検索もすぐにできる

ペーパーレス化が今求められる背景

背景にあるのは、働き方の多様化と労働時間管理の厳格化です。テレワークや直行直帰、複数拠点での勤務が増え、出社して紙に打刻する前提が崩れました。さらに働き方改革関連法で残業の上限が定められ、労働時間を正確に把握する必要が高まっています。場所を問わず打刻でき、残業の積み上がりを早期に把握できる点が、いま電子化が選ばれる理由です。

支出管理ペーパーレス化から始める経理DX

タイムカードをペーパーレス化するメリット

タイムカードをペーパーレス化するメリットは、集計の自動化、正確な労働時間把握、保管コストの削減、多様な働き方への対応の4つです。手作業を減らしながら、勤怠データの正確性と活用度を同時に高められます。

▼ タイムカードをペーパーレス化する主なメリット

メリット内容
集計・転記の自動化打刻データから労働時間や残業を自動計算し、月末の手入力をなくす
正確な労働時間把握出退勤をリアルタイムで可視化し、残業の上限超過を早く察知できる
保管コストの削減紙の購入・保管・管理の費用を抑え、必要な記録をすぐ検索できる
多様な働き方への対応テレワークや直行直帰、複数拠点でも同じ仕組みで打刻できる
不正打刻の抑止本人以外の打刻や時間の改ざんをシステム側で防ぎやすい

集計と給与計算の手作業がなくなる

最も効果が大きいのは集計の自動化です。紙の運用では、月末にタイムカードを集め、打刻時間を読み取り、残業や深夜・休日の割増を一件ずつ計算していました。電子化すると、打刻データから労働時間や各種手当が自動で計算されます。給与計算システムと連携すれば、勤怠から給与までの転記もなくせます。フレックスや変形労働時間制のように計算が複雑な勤務形態ほど、自動化の恩恵は大きくなります。

不正打刻を防ぎ、労働時間をリアルタイムで把握できる

勤怠データが即時に集まると、誰がどれだけ働いているかをその場で確認できます。残業が増えている従業員に早めに声をかけられ、長時間労働の防止につながります。打刻の手段に生体認証やICカードを使えば、代理打刻や時間の書き換えも起きにくくなります

紙の保管をやめ、記録をすぐに探せる

紙のタイムカードは法律で定められた期間の保管が必要で、拠点が増えるほど保管場所や管理の手間も膨らみます。電子化すれば、これらの物理的なコストがなくなります。過去の勤怠を確認したいときも、氏名や期間で検索すればすぐに取り出せます。監査や問い合わせへの対応も、紙をめくらずに完結します。

タイムカードを電子化するデメリットと注意点

デメリットは、導入コスト、移行と定着の手間、ネットワークへの依存の3つです。いずれも事前の設計で抑えられるため、注意点として先に押さえておくと失敗を防げます。

導入コストと移行の手間を抑えるには

費用は仕組みによって大きく変わります。クラウド型は初期費用を抑えやすく、従業員一人あたりの月額で課金される形が中心です。人数が多いほど月々の負担は増えますが、紙の購入費や集計の人件費と比べて見合うかで判断します。社内に構築する方式は、自由度が高い反面、初期費用が大きくなりがちです。

移行では、新しい打刻方法に慣れるまで時間がかかります。とくにスマートフォンの操作に不慣れな従業員がいる場合は、共有のタブレットにICカードをかざすだけといった、誰でも迷わない方法を用意すると定着しやすくなります。マニュアルの配布と短い説明会で、目的と操作手順を事前に伝えておきます。繁忙期の移行は避けるのが無難です。

通信障害やシステム停止に備える

クラウド型は、通信の不具合やサーバーの停止が起きると打刻できなくなる可能性があります。あらかじめ、打刻できなかったときに後から申請して修正する手順を決めておくと安心です。障害時の代替手段と修正ルールを就業規則や運用マニュアルに明記しておきます。勤怠データは個人情報を含むため、アクセス権限の管理とバックアップもあわせて整えます。

タイムカードの電子化と法律・保存義務

タイムカードは労働基準法で保存が義務づけられた書類で、保存期間は5年(当面は経過措置として3年)です。紙だけでなく、要件を満たせば電子データでの保存も認められています。電子化しても、定められた期間の保存義務は変わりません。

▼ タイムカード(勤怠記録)の保存ルール

項目内容
対象賃金台帳・出勤簿・タイムカードなどの労働関係書類
保存期間5年(当面は経過措置で3年)
根拠労働基準法第109条
電子保存要件を満たせばデータでの保存が可能

手書きの出勤簿は違法なのか

手書きの出勤簿そのものが、ただちに違法になるわけではありません。2019年の法改正で、労働時間を客観的な方法で把握することが求められるようになりました。自己申告だけに頼らず、客観的な記録として残せていれば問題はありません。ただし手書きは改ざんや記入漏れが起こりやすく、客観性の確保という点では電子化が有利です

関連記事
働き方改革関連法を徹底解説!中小企業は2021年4月以降も対応必須!!
働き方改革関連法を徹底解説!中小企業は2021年4月以降も対応必須!!

タイムカードをペーパーレス化する進め方

進め方は、現状の整理から始め、打刻方法を決め、システムを選び、ルールを整えて、試験運用を経て全社へ広げる流れです。導入から運用開始まで、おおむね2〜3か月をみておくとよいでしょう。

タイムカードペーパーレス化5ステップ_進め方フロー図

▼ タイムカードをペーパーレス化する5ステップ

ステップやること
①現状把握従業員数・勤務形態(シフトや変形労働)・就業規則・今の打刻方法を洗い出す
②打刻方法を決める自社の働き方に合う打刻手段を選ぶ
③システム選定無料トライアルで自社のルール通りに自動集計できるか検証する
④ルール整備打刻忘れの修正手順、承認フロー、残業申請の方法を就業規則に反映する
⑤周知と並行稼働マニュアルと説明会で周知し、一部部署で試してから全社へ広げる

とくに最初の現状把握が成否を分けます。自社の勤務形態や就業規則の集計ルールを書き出さないまま製品を選ぶと、自社の計算に合わず手作業が残ってしまいます。シフト制や裁量労働、みなし残業など特殊なルールがある場合は、その再現可否を選定時に必ず確認します。ルール整備では、打刻を忘れたときの修正申請と承認の流れを先に決めておくと、運用開始後の混乱を防げます。

全社展開の前に一部の部署で試す期間を設けると、操作のつまずきや設定漏れを小さなうちに見つけられます。移行直後はしばらく紙と並行して運用し、数値が一致することを確認してから紙を廃止すると安全です。

TOKIUM経費精算資料ダウンロード TOKIUM経費精算資料ダウンロード

自社に合うタイムカードのペーパーレス化の選び方

選び方の軸は、自社の働き方に合う打刻方法かどうかです。オフィス勤務が中心か、外出や在宅が多いか、店舗や工場のように共有端末が向くかで、適した手段が変わります。打刻方法が働き方に合っているかが、定着を左右します。

▼ 打刻方法と向いている働き方

打刻方法向いている働き方
スマホ・PCからの打刻テレワークや直行直帰、外回りが多い職種
ICカード(社員証・交通系)オフィス出社が中心で、紙に近い感覚を残したい場合
生体認証(顔・指紋)なりすましや代理打刻を確実に防ぎたい場合
共有タブレット・共有PC店舗や現場でパート・アルバイトが多く、端末を共有したい場合

クラウド型とオンプレミス型、費用の考え方

システムの提供形態は、クラウド型と社内に構築するオンプレミス型に分かれます。クラウド型は初期費用を抑えやすく、法改正に合わせた更新も提供側が行うため、多くの企業で導入しやすい選択肢です。費用は初期費用だけでなく、月額や保守を含めた総額で比較し、削減できる工数と見合うかを確認します。無料トライアルで自社の集計ルールを再現できるか試してから決めると失敗が少ないです。

関連記事
在宅勤務の勤怠管理の方法は?勤怠管理の方法や法律についてわかりやすく解説!
在宅勤務の勤怠管理の方法は?勤怠管理の方法や法律についてわかりやすく解説!

勤怠の次は、経費と請求書のペーパーレス化へ

タイムカードで紙をなくすと、同じ課題がほかの書類にも残っていることに気づきます。経費精算の領収書、受け取った請求書、各種の証憑も、回収・転記・保管という負担は勤怠と同じです。勤怠の電子化は、バックオフィス全体をペーパーレス化する入り口にできます。

経費や請求書などの国税関係書類は、電子帳簿保存法に沿って電子保存できます。紙で受け取った領収書をスキャンして保存するスキャナ保存では、タイムスタンプの付与や訂正・削除の履歴が残る仕組みなど、定められた要件を満たす必要があります。メールやWebでやり取りした請求書などの電子取引データは、紙に印刷した保存が認められず、データのまま保存することが求められます。要件に対応したシステムを使えば、紙原本の保管をやめながら法的な保存要件も満たせます。

TOKIUM経費精算では、領収書や請求書を精度99%でデータ化し、確信度が低い項目は人が確認する設計で正確性を保っています。電子帳簿保存法のスキャナ保存に対応したJIIMA認証を取得し、タイムスタンプや改ざん防止にも標準で対応しています。手入力に頼らず証憑を取り込めるので、経理の入力と確認の負担そのものを軽くできます。上場企業300社以上に導入され、経費精算にかける時間を従来の1/10程度まで減らした実績があります。領収書だけでなく全国税関係書類に対応し、証憑の電子保管まで一つの仕組みで完結できます。 出典:TOKIUM経費精算(keihi.com)(最終確認日:2026年7月7日)

受け取った請求書の受領と電子保存はTOKIUMインボイスが担うので、経費はTOKIUM経費精算、請求書はTOKIUMインボイスと、書類の種類に応じて電子化を任せられます。

勤怠のペーパーレス化を検討するこのタイミングで、経費や請求書の電子化もあわせて見直すと、間接部門全体の紙と手作業を一度に減らせます。

関連記事
経理DX完全ガイド:基礎から実践、成功への道筋を徹底解説
経理DX完全ガイド:基礎から実践、成功への道筋を徹底解説

まとめ

タイムカードのペーパーレス化は、月末の集計と転記をなくし、労働時間を正確に把握しながら保管の手間も減らせる取り組みです。導入コストや移行の手間、通信障害への備えは、一部の部署で試してから広げ、修正ルールを決めておくことで抑えられます。保存義務などの法律も、要件を満たせば電子データで対応できます。

そして勤怠の電子化は、経費や請求書、証憑を含めたバックオフィス全体のペーパーレス化への入り口です。電子帳簿保存法に対応した仕組みまで視野に入れると、間接部門の紙と手作業をまとめて減らせます。最後に、検討段階でよく挙がる疑問をまとめておきます。

経理のペーパーレス化って本当に必要?実行して初めて気づいた、経理のカイゼン効果5選

タイムカードのペーパーレス化に関するよくある質問

タイムカードの電子化は無料でできますか

少人数であれば、無料で使えるクラウド型のサービスもあります。ただし利用人数や機能に上限があることが多く、従業員が増えると有料プランが前提になります。

小さな会社でも導入できますか

小規模な会社ほど、月額制で初期費用の少ないクラウド型が向いています。スマホやPCからの打刻なら専用の機器も不要で、短期間で始められます。まず打刻と集計から電子化し、運用が安定してから申請・承認などへ広げる進め方が無理がありません。

紙のタイムカードはいつまで保管すればよいですか

労働基準法により5年間(当面は経過措置で3年間)の保存が必要です。電子化したあとも保存義務は変わらないため、要件を満たした形でデータを保管します。電子保存にすれば、保管場所をとらず必要な記録をすぐに探し出せます。

打刻方法はどれを選べばよいですか

自社の働き方に合うかで選びます。テレワークや外回りが多いならスマホ打刻、オフィス出社が中心ならICカード、なりすましを防ぎたいなら生体認証、店舗や現場で複数人が使うなら共有端末が向いています。複数の打刻方法に対応したシステムを選び、部署ごとに使い分けるのも有効です。

給与計算や経費精算とも連携できますか

多くのシステムが給与計算ソフトとの連携に対応しており、勤怠データをそのまま給与計算に渡せます。勤怠の電子化を機に、経費精算や請求書などの証憑を電子化すれば、間接部門の紙と手作業をまとめて減らせます。ただし、証憑の電子保存は電子帳簿保存法の要件に対応した仕組みを選ぶことが前提です。たとえばTOKIUM経費精算なら、受け取った領収書や請求書のデータ化から電子保存までを一つの仕組みで対応できます。

DOCUMENT
もっと役立つ情報を
知りたい方はこちら
経理AIエージェント「TOKIUM」がすぐわかる 3点セット
支出管理ペーパーレス化から始める経理DX
支出管理ペーパーレス化から始める経理DX

関連記事