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ペーパーレス会議とは、印刷・配布を省いてデジタル化した資料をPCやタブレットの画面で共有しながら進める会議スタイルのことです。印刷や製本の手間がなくなり、直前の差し替えもデータを更新するだけで済みます。
ところが現場では、タブレットを配ったのに気づけば紙に戻っていた、役員がどうしても使ってくれない、という声も少なくありません。うまくいくかどうかは、ツール選びよりも「進め方」と「運用ルール」で決まります。
本記事は、ペーパーレス会議のメリットとデメリット、紙に戻らないための進め方、自社に合うシステムの選び方、そして会議で扱う請求書や契約書まで含めた書類の電子化までを、順に整理します。
ペーパーレス会議とは
ペーパーレス会議とは、会議で使う資料を紙に印刷せず、PCやタブレット、プロジェクターなどの画面で共有して進める会議のことです。配布のために大量に印刷する作業がなくなり、参加者は手元の端末で同じ資料を見ながら議論できます。
従来の会議では、資料の準備に印刷・丁合・ホチキス留めといった作業が発生し、修正が入るたびに刷り直していました。データで共有すれば、こうした準備の負担を減らし、会議の直前に資料を差し替えても全員に最新版がすぐ届きます。
ペーパーレス会議が求められる背景
ペーパーレス会議が広がっている背景には、働き方の変化と法制度への対応があります。リモートワークやハイブリッド勤務が定着し、離れた場所にいる参加者とも同じ資料を見ながら会議を進める必要が高まりました。会議のたびに資料を郵送したり印刷して配ったりする運用では、こうした働き方に追いつけません。
あわせて、紙の保管コストや情報漏洩への意識が高まり、書類のデジタル化は経営課題になっています。とりわけ請求書や契約書といった国税関係書類は、電子帳簿保存法への対応が求められます。会議や決裁で扱う書類まで含めた電子化が、避けて通れなくなっています。
電子化できる会議資料
ペーパーレス会議で電子化できるのは、会議中に映す配布資料だけではありません。会議に付随して回る書類まで含めて考えると、電子化の効果は大きくなります。
▼ 会議で扱う書類と電子化後の扱い
| 会議まわりの書類 | 電子化後の扱い |
|---|---|
| 会議の配布資料・プレゼン資料 | PDFやスライドを端末で共有し、画面同期で進行 |
| 議事録 | 作成から共有・保管までデータで完結し、検索で呼び出せる |
| 稟議書・申請書 | ワークフロー上で回覧し、承認の履歴を残す |
| 会議で扱う請求書・契約書・領収書 | 国税関係書類として電子帳簿保存法に沿って保存する |
配布資料と議事録は会議システムやクラウドストレージで扱えます。一方で、会議で配られる請求書や契約書といった書類は、電子帳簿保存法に沿った保存が必要になります。この違いは後半で詳しく取り上げます。

ペーパーレス会議の主なメリット
ペーパーレス会議のメリットは、コストと準備の手間を減らしながら、情報共有とセキュリティを同時に高められる点です。紙の制約から離れることで、会議そのものの進め方も変わります。
▼ ペーパーレス会議の主なメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| コスト削減 | 紙代・インク代・印刷機の費用や、保管・廃棄の手間を減らせる |
| 準備の効率化 | 印刷・丁合・配布が不要になり、直前の差し替えもデータ更新で完結 |
| セキュリティ強化 | 閲覧権限の設定や会議後のデータ削除で、置き忘れや持ち出しのリスクを抑える |
| 情報共有の速さ | 画面同期で全員が同じページを見ながら議論でき、決定が早まる |
| リモート対応 | 在宅や複数拠点からでも同じ資料を見ながら参加できる |
| 検索・保管性 | 過去の資料や議事録をキーワードで呼び出せ、保管スペースもいらない |
とくに効果が見えやすいのは、準備にかかる時間です。20人の会議で30ページの資料を配るだけでも、印刷と丁合に相当な手間がかかります。データ共有なら、会議開始の数分前に資料を差し替えても、全員の端末に最新版が反映されます。
コストの面では、紙やインクの直接費だけでなく、印刷を待つ時間や保管のスペースといった見えにくい負担も減ります。会議のたびに数十部を刷っていた組織なら、年間の紙の使用量は大きく変わります。リモートやハイブリッドの会議が増えた組織ほど、同じ資料を全員で追える効果は大きくなります。
見落とされがちなのが、検索と保管のしやすさです。紙のファイルでは「あの会議の資料はどこか」を探すだけで時間がかかりますが、データなら過去の資料や議事録をキーワードで呼び出せます。決定の経緯をあとから追える状態は、監査や引き継ぎの場面でも役立ちます。
機密会議のセキュリティを高める
ペーパーレス会議は、機密性の高い会議ほど効果を発揮します。理由は、紙のように資料が物理的に残らず、閲覧できる人や期間をコントロールできるからです。
役員会や取締役会では、配布した紙を回収し忘れたり、裏紙として再利用されて内容が漏れたりするリスクがあります。閲覧権限を参加者ごとに設定し、会議の終了後にデータを自動で消す運用にすれば、こうしたリスクを抑えられます。
ペーパーレス会議のデメリットと注意点
ペーパーレス会議のデメリットは、紙に比べて一覧性とメモのしやすさが下がる点です。ただし、いずれも事前の準備とツール選びで補えます。読者がつまずきやすい3点を、対策とあわせて整理します。
▼ ペーパーレス会議のデメリットと対策
| デメリット | 対策 |
|---|---|
| 複数の資料を見比べにくい/前のページに戻りにくい | 画面分割や複数端末の併用、資料の構成を会議用に整理する |
| 紙のように手書きメモがしにくい | PDFへの直接書き込みや、メモの取り方を事前にルール化する |
| 端末の操作に不慣れな参加者がいると進行が止まる | 事前に操作のテストと簡単な説明会を行う |
最も声が大きいのは、一覧性への不満です。紙なら机に資料を並べて全体を見渡せますが、1つの画面では複数のページを同時に見にくくなります。資料を会議用に組み直してページ数を減らす、要点を1ページにまとめる、といった工夫で負担はかなり下がります。画面分割やタブレットの併用も有効です。
デメリットの多くは、ツールの機能よりも事前準備で解消できます。 たとえば手書きメモへの不満は、資料に直接コメントを書き込める機能を使うか、メモ用の端末やノートを別に用意すると決めておくだけで小さくなります。操作への不安は、本番前に短い練習の時間を設けるだけでも和らぎます。
なぜペーパーレス会議は紙に戻ってしまうのか
ペーパーレス会議が紙に戻ってしまう最大の理由は、ツールの問題ではなく、使う人の抵抗感と運用の設計にあります。一度は導入できても、ここを乗り越えられないと定着しません。
よくあるのは、操作に不慣れな参加者から「紙で配ってほしい」という要望が出て、念のため紙も用意するうちに、いつの間にか紙だけに戻るパターンです。最初から全社で完全にペーパーレスにしようとすると、この揺り戻しが起きやすくなります。
重要な会議ほど紙が残りやすい理由と、周辺書類の壁
定着を妨げる要因は、大きく2つあります。1つは、決裁の場ほど紙への安心感が残りやすいことです。操作への不安に加えて、重要な資料は紙で手元に置いておきたいという感覚は自然なもので、役員会や取締役会のような重要な会議ほど紙が残りがちです。まずは身内の会議で慣れてもらい、効果を実感してから、より重要度の高い会議へ広げると無理がありません。
もう1つは、会議の資料は電子化できても、会議で扱う請求書や契約書といった書類が紙のまま残ることです。取引先から紙での提出を求められて結局印刷する、という場面は少なくありません。会議だけを電子化しても、周辺の書類が紙のままでは、ペーパーレス化の効果は限定的になります。この点は後半で具体的な解決策を取り上げます。
ペーパーレス会議の進め方|成功の5ステップ
ペーパーレス会議を成功させる進め方は、小さく試してから広げることです。いきなり全社で始めるのではなく、影響の小さい会議で運用を固めてから対象を広げると、紙への揺り戻しを防げます。
▼ ペーパーレス会議を成功させる5ステップ
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1. 対象の会議を決める | 部署内の定例会議など、影響の小さい会議から試す |
| 2. 資料の作り方を見直す | 文字を大きめにし、1ページに詰め込みすぎないなど、画面で読みやすく整える |
| 3. 運用ルールを決める | 資料をいつまでにアップロードするか、メモはどう取るかを事前に決める |
| 4. 操作テストと周知を行う | 参加者が迷わないよう、事前に操作の説明とテストを実施する |
| 5. 効果を見ながら広げる | 出てきた課題を解消し、対象の会議を段階的に増やす |
最初は身内の小さな会議から始める
最初の一歩は、部署内の定例ミーティングなど、参加者が限られた会議から始めるのが安全です。少人数で操作に慣れ、運用ルールを固めてから、より大きな会議や役員が参加する会議に広げます。
進め方でつまずきやすいのが、資料の作り方です。紙を前提にした細かい文字や情報量の多いページは、端末の画面では読みづらくなります。画面で読むことを前提に、文字を大きめにし、1ページの情報量を絞るだけで、参加者の不満は大きく減ります。
運用ルールも、最初に決めておくと定着しやすくなります。資料は会議の何時間前までにアップロードするか、メモは端末上で取るのか別に取るのか、といった細かい取り決めです。ルールがないまま始めると、当日に資料がそろわない、メモが共有されないといった混乱が起き、紙に戻る口実になってしまいます。
本番の前に、操作のテストを済ませておくことも欠かせません。資料を開く、ページをめくる、書き込むといった基本動作を参加者に一度体験してもらうだけで、当日の停滞を防げます。最初の会議で大きな問題が出なければ、次は別の会議へ、その次は役員が参加する会議へと、対象を少しずつ広げていきます。一度にすべてを変えないことが、結果的に早く定着させるコツです。

ペーパーレス会議システムの種類と選び方
ペーパーレス会議に使うツールは、会議のスタイルによって向き不向きがあります。大きく4つのタイプに分けて考えると、自社に合うものを選びやすくなります。
▼ ペーパーレス会議に使うツールのタイプ
| タイプ | 特徴 | 向いている会議 |
|---|---|---|
| Web会議・画面共有型 | 全員で同じ画面を追いながら進める | リモート中心、発表者が画面を共有して進める会議 |
| クラウドストレージ型 | 資料を事前共有し、各自のペースで読める | 事前配布して、各自が読み込んでから臨む会議 |
| オンラインホワイトボード型 | 全員で同じ画面に書き込める | ブレストやアイデア出し、ワークショップ |
| 専用ペーパーレス会議システム | 高いセキュリティと紙に近い操作感 | 役員会・取締役会・自治体の議会など機密性の高い会議 |
多くの組織は、すでに使っているWeb会議ツールやクラウドストレージから始めます。同じ画面を全員で追いたいならWeb会議型、各自のペースで読み込んでから議論したいならクラウドストレージ型が向いています。ブレストのように全員で書き込みたい会議には、オンラインホワイトボードが合います。
一方で、役員会や自治体の議会のように、機密性が高く資料も多い会議では、専用のペーパーレス会議システムが選ばれます。閲覧権限の細かい設定や、紙に近いページめくりの操作感など、汎用ツールにはない機能を備えているためです。会議の種類が分かれている組織では、1つに絞らず、会議ごとに使い分けるのが現実的です。

選ぶときは、会議のスタイルに加えて、操作のしやすさを最優先で確認します。会議のときしか使わないツールは慣れにくく、操作が複雑だと紙に戻る原因になります。次の観点を、実際の参加者に近い人が試してから決めると失敗が減ります。
▼ 導入前に確認したい会議システムの選定ポイント
| 確認ポイント | 見るべき点 |
|---|---|
| 操作のしやすさ | 不慣れな参加者でも迷わず資料を開き、ページを動かせるか |
| 手書きメモ・注釈 | 資料に直接書き込めるか、メモを残せるか |
| Web会議ツールとの連携 | 普段使うWeb会議ツールと組み合わせて使えるか |
| セキュリティ | 閲覧権限の設定や会議後のデータ削除ができるか |
| 対応端末 | PCだけでなくタブレットでも快適に使えるか |
無料やTeamsなど既存ツールで始める方法
ペーパーレス会議は、専用システムを入れなくても、すでに使っているツールで始められます。まずは手元のツールで試し、足りないと感じたら専用システムを検討する、という順番でも十分です。
たとえば、Web会議ツールの画面共有で資料を映す、クラウドストレージに資料を置いて各自が開く、といった方法なら追加費用をかけずに始められます。まずは無料の範囲で運用を試し、手書きメモや高いセキュリティが必要になった段階で専用システムを検討すると、無駄がありません。
会議資料だけでなく、会議で扱う書類のペーパーレス化
会議のペーパーレス化を本当に進めたいなら、配布資料だけでなく、会議で扱う請求書や契約書といった書類まで電子化するのが近道です。会議資料はデータになったのに、決裁にまわる書類は紙のまま、という状態では効果が頭打ちになります。
請求書・領収書・契約書といった書類は、電子帳簿保存法の対象になる国税関係書類です。会議や決裁で扱うこれらの書類を電子保存するには、法律の要件に沿った保存の仕組みが必要になります。

TOKIUMの導入事例には、年間およそ3万枚の領収書・請求書のペーパーレス化を実現したケースや、年間5万枚の領収書を削減したケースがあります。 出典:株式会社TOKIUM ニュース(経理DXの成功事例集)(最終確認日:2026年7月7日)
ここで役立つのが、会議や決裁で扱う書類を電子帳簿保存法に沿って保存できる仕組みです。TOKIUM電子帳簿保存では、契約書・見積書・納品書・請求書といったあらゆる国税関係書類を、法律に準拠した形で保存できます。タイムスタンプの付与やJIIMA認証に対応し、書類はTOKIUM上で検索・閲覧でき、関連する書類どうしを紐づけて管理できます。
TOKIUM電子帳簿保存は月額1万円から利用でき、紙でも電子データでも、フォーマットを問わず国税関係書類を一元管理できます。 出典:TOKIUM電子帳簿保存(公式)(最終確認日:2026年7月7日)
会議のペーパーレス化を、資料の電子化で終わらせるか、会議で扱う書類の電子保存まで広げるかで、削減できる手間は大きく変わります。会議室から紙をなくすだけでなく、決裁や保管にまわる書類の負担も減らしたい場合は、書類の電子保存まで含めて検討する価値があります。
【関連する無料ガイドブック】
▶ 経理のペーパーレス化って本当に必要?実行して初めて気付いた、経理のカイゼン効果5選
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まとめ|ペーパーレス会議を定着させるために
ペーパーレス会議は、コストと準備の手間を減らし、セキュリティと情報共有を高められます。定着のカギは、小さな会議から始め、資料の作り方と運用ルールを整え、操作に慣れてから広げることです。
さらに、会議資料だけでなく、会議で扱う請求書や契約書といった書類まで電子化すると、紙の削減はもう一段進みます。これらの国税関係書類は電子帳簿保存法への対応が必要なため、法律に準拠した保存の仕組みとあわせて検討すると、会議室から決裁・保管まで一貫してペーパーレス化できます。
ペーパーレス会議に関するよくある質問
ペーパーレス会議に必要なものは何ですか
必要なのは、参加者が資料を見るための端末と、資料を共有する仕組みです。具体的には、PCやタブレットに加えて、会議室の大型ディスプレイや、資料を共有するツールがあれば始められます。専用システムは必須ではなく、まずは手元のツールでも始められます。
無料でペーパーレス会議を始められますか
すでに使っているツールを使えば、追加費用をかけずに始められます。Web会議ツールの画面共有やクラウドストレージを使えば、専用システムを入れなくても運用できます。手書きメモや高いセキュリティが必要になった段階で、専用システムを検討すると無駄がありません。
ペーパーレス会議で紙のように書き込みはできますか
資料に直接書き込めるツールを選べば、紙に近い感覚でメモを残せます。PDFへの注釈機能や手書き入力に対応したツールであれば、画面上で資料にコメントを書き込めます。メモの取り方を事前にルール化しておくと、定着しやすくなります。
ペーパーレス会議のセキュリティは紙より安全ですか
運用次第で、紙よりも情報漏洩のリスクを抑えられます。閲覧できる人を権限で絞り、会議後に資料を削除する運用にすれば、紙のように配布物が残らず、置き忘れや持ち出しの心配が減ります。機密性の高い会議では、閲覧権限の設定やデータ削除に対応したツールを選ぶことが前提になります。
自治体の議会でもペーパーレス会議は使えますか
自治体の議会でもペーパーレス会議の導入は進んでいます。議案や参考資料が大量になる議会ほど、印刷と差し替えの負担が大きく、効果が出やすいためです。機密性とセキュリティが求められるため、閲覧権限や紙に近い操作感を備えた専用システムが選ばれる傾向があります。
会議資料以外の書類もペーパーレス化したほうがよいですか
会議で扱う請求書や契約書まで電子化すると、ペーパーレス化の効果は大きくなります。会議資料だけを電子化しても、決裁や保管にまわる書類が紙のままでは手間が残ります。これらの国税関係書類は、電子帳簿保存法に沿った保存の仕組みを使うことで、まとめて電子化できます。




