支払業務

支払通知書とは?電子帳簿保存法・インボイス制度の影響は?

公開日:2022.04.16更新日:2022.09.21
支払通知書のアイキャッチ画像

支払通知書とは、取引に関する代金を支払う側が、受け取る側に、支払金額や支払いの内容を通知するための書類です。作成義務や通知義務はありませんが、支払いの前に通知しておくことで、取引相手とのやりとりを円滑に進めることが可能となります。

また支払通知書は、国税に関する法律で保存が義務付けられている証憑書類の一つであり、インボイス制度や電子帳簿保存法に関係するため注意が必要です。

本記事では、支払通知書に関する基本知識について、2023年10月開始のインボイス制度、2024年1月開始の改正電子帳簿保存法への対応とあわせて、解説していきます。

▼【記事後半】支払通知書の扱いは電子帳簿保存法とインボイス制度で変わるか

電子帳簿保存法ガイドバナー

支払通知書とは

支払通知書

支払通知書とは、既に取引を終えて支払いが確定しているものについて、その内容を通知するための書類です。取引が行われた日付や案件名、金額等が記載されています。

支払通知書は、支払先に対して「こちらの内容で支払いをします。」と支払側が発行する書類であり、納品書を受取った支払側が請求書を受け取る前に支払先へ発行し、双方に内容の相違がないことを確認し合う役割があります。

支払通知書の必要項目

支払通知書の必要項目や様式は、法律で定められてはいませんが、一般的に記載すべき項目というのは存在します。支払通知書の必要項目については、以下の記事でテンプレートと共に説明しています。
▶︎支払通知書のテンプレートをご紹介!作成の注意点は?

支払通知書を発行するタイミング

支払通知書は、支払先からの納品書を受け取った段階で発行することが多いです。このタイミングで支払通知書を発行して支払先に送付することで、取引内容に対する双方の認識を確認する狙いがあります。

支払通知書と請求書の違い

冒頭で触れたように、支払通知書は代金を支払う側が、受け取る側に、支払金額等を通知する書類です。一方、請求書とは商品・サービスの代金を請求する書類であり、代金を受け取る側が支払う側に通知しますので、2つの書類は発行者と受領者が逆になっています。

支払通知書の発行義務

通常の取引であれば、支払通知書の発行義務はありません。そのため、任意で作成する書類となります。しかし、あらかじめ支払通知書を発行しておくことで円滑に業務が進むなどの理由から、広く世の中で活用されています。

支払通知書を発行するメリット

義務がないのであれば、発行しなくていいのでは?と考える人がいると思いますが、支払通知書の発行には様々なメリットがあります。ここでは、支払通知書を発行するメリットについて解説していきます。

①取引内容や金額の認識ミスを防げる

支払通知書には、取引内容や案件の単価、また消費税や源泉徴収額を記載するのが一般的です。あらかじめ支払通知書を発行しておくと、代金の支払い側・受け取り側の双方で内容を確認することができるため、取引内容や金額の認識違いを防ぐことができます。

②請求業務を省ける

支払通知書とは、支払う側が発行・送付するものです。したがって、支払通知書を用いることで請求書を作成する相手先企業の手間を削減することができます。さらに双方の合意のもと、請求に関するやり取りを廃止すれば、請求業務そのものをカットすることも可能です。

支払通知書の保存義務

支払通知書は国税に関わる証憑書類の一つであり保存義務が存在します。発行の義務はないのですが、発行した支払通知書の控え及び受領した支払通知書は保存が必要です。誤って処分してしまわないよう注意してください。また、保存期間は法人と個人事業主で異なります。

法人の場合、支払通知書の保存期間は7年

法人の場合、支払通知書原本の保存期間は「7年間」です。書類発行日もしくは受領日から起算して、7年後の法人税申告期限日までが保存期間です。

個人事業主の場合、支払通知書の保存期間は5年

個人事業主の場合は、青色申告・白色申告問わず、支払通知書原本の保存期間は「5年間」と義務づけられています。書類発行日もしくは受領日から起算して、5年後の確定申告期限日までが保存期間です。

例えば、令和4年4月1日に発行された支払通知書は、令和9年の確定申告期限日までの保存が義務づけられています。

支払通知書の扱いは電子帳簿保存法とインボイス制度で変わるか

電子帳簿保存法とインボイス制度が開始すると支払通知書の扱いがどのように変わるのか疑問に思う方もいるでしょう。結論としては、支払通知書の効力が下がることはないが、請求書と同様に支払通知書に関しても法制度に適応する必要がある、というのが当編集部の見解です。

【電子帳簿保存法】2024年1月〜電子で受け取った支払通知書の紙保存がNGに

電子帳簿保存法の改正により、2024年1月からは、既に多くの企業がやり取りしている「電子的に受け取る取引データ(例えば、電子メールで授受する発注書や請求書など)」は、電子データでの保存が義務付けられます。

電子帳簿保存法の対象は国税関係帳簿と国税関係書類ですが、前述の通り、支払通知書と請求書は送り主が逆なだけで、効果としては同等であるため、電帳法の対象となります。

したがって、例えばPDFで支払通知書を受け取った場合、電子取引に適用されるため、従来の様に紙に出力しての保存が認められなくなります。
※2024年1月から施行される電子帳簿保存法の改正については、以下の記事で解説しています。

▶︎電子帳簿保存法についての解説記事を読む

【インボイス制度】2023年12月〜取引相手(売り手側)の登録番号の記載が必要に

2023年10月より、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始します。買い手から売り手へ送付する支払通知書に関しても、請求書と同様、仕入税額控除を受けるためのインボイスとして有効なのですが、取引相手(売り手側)の登録番号(=適格請求書発行事業者登録番号)や税率ごとに区分した消費税額等、適格請求書としての要件を満たすことが必要になるので注意しましょう。
支払通知書テンプレ
参考:消費税の仕入税額控除制度における 適格請求書等保存方式に関するQ&A 「書面と電磁的記録を合わせた仕入明細書」

インボイス制度の概要や、適格請求書に必要な項目については、以下の記事で確認してください。
▶︎【完全整理】インボイス制度が経理業務に与える影響をわかりやすく解説!

このように改正電子帳簿保存法とインボイス制度が開始しても、企業によっては、「わざわざ相手先の登録番号を控えて支払通知書を送付するよりも、請求書を送付してもらう方が効率的である」という事態が十分起こり得ます。これを読んでいる経理担当者の皆さんも、2023年10月までに一度は支払業務のオペレーションの見直しをすべきかもしれません。

TOKIUMインボイス資料ダウンロード TOKIUMインボイス資料ダウンロード
DOCUMENT
もっと役立つ情報を
知りたい方はこちら
請求書受領クラウドの選び方ガイド
インボイス制度の導入で経理の現場では何が起こる?

関連記事