インボイス制度

インボイス制度で買い手側がすべきこととは?売り手側と分けて詳しく解説

更新日:2026.08.07

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2023年10月1日よりインボイス制度が施行されたことで、免税事業者と取引をする課税事業者は、原則納める消費税のうち一部の控除が受けられなくなりました。

この制度について正しく理解し、その上で自社にとって最適な仕入れ先を選定していくことはインボイス制度対応において大変重要なことです。

ただし、免税事業者などインボイスを発行できない相手からの仕入れも、いきなり全額が控除できなくなるわけではありません。制度の変化に対応する時間を確保するため、支払った消費税相当額の一定割合を控除できる経過措置が設けられています。

この経過措置は令和8年度(2026年度)税制改正で期限が2年延長され、控除できる割合も見直されました。2026年10月1日からは、控除できる割合が80%から70%に下がります。買い手側は、切り替え日までに帳簿の記載や会計システムの設定を見直しておく必要があります。

→ダウンロード:請求書電子化で「ミスなく」月次決算を実現できる理由とは?3つのメリットをご紹介

そこで今回は、インボイス制度で買い手側がすべきことを売り手側と分けて紹介していきます。

インボイス制度の施行を受けその内容をより詳しく知りたい、またインボイス制度導入を機に自社にとって一番良い取引先について考えたいと感じている方はぜひ最後までご覧ください。

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インボイス制度とは

インボイス制度とは、2023年10月1日から導入された消費税の仕入税額控除の適用を受けるための新方式であり、その正式名称を「適格請求書等保存方式」と言います。

インボイス制度導入以前との大きな違いは、仕入税額控除を受けるために「適格請求書(=インボイス)」の保存が求められるようになったという点です。

仕入税額控除とは

仕入税額控除

消費税の納税額=売り上げにかかる消費税ー仕入れにかかる消費税

仕入税額控除とは、課税事業者が消費税の納付額を計算する際に、売上にかかっている消費税から、仕入れにかかった消費税を差し引くことを指します。

事業者が提供する商品・サービスが消費者の手に届く間に発生する費用(原材料費、輸送費等)にも、原則として消費税が課税されています。

このような各取引にかかる消費税の累積を防止する仕組みが仕入税額控除です。

インボイス制度開始以降、支払った消費税の額として認められるのは、適格請求書発行事業者が発行しているインボイスに適格請求書保存方式で定められた記載のあるものとなりました。

つまり、個人事業主などの免税事業者等との取引は、原則として仕入税額控除の対象外となります。ただし当面は、一定割合を控除できる経過措置が設けられています(詳しくは「免税事業者との取引において仕入税額控除の経過措置が認められる」で解説します)。

インボイス制度下で買い手側が仕入税額控除を受けるには、インボイス並びに法律で定められた事項を記載した帳簿を7年間保存する必要があります。

なお事業者の状況によっては、適格簡易請求書(簡易インボイス)やインボイスの交付義務免除など、一部例外的なケースも存在します。

仕入税額控除やその要件についてさらに知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

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インボイス制度導入の目的

ここではインボイス制度が導入された目的についてみていきます。

まず一つ目の制度導入の目的として、軽減税率制度の明確化があります。現在国内の消費税制度では軽減税率制度が取り入れられており、商品によって8%と10%の税率が使い分けられています。

この複雑な現行制度の負担を改善すべく、インボイスにはそれぞれの税率ごとの消費税額を明記することが求められるようになりました。

これにより、取引のアクター双方が一目で消費税額がわかるようになりました。

二つ目の制度導入目的としては、「益税問題」の解消があります。

従来の制度では年間の売り上げ1000万円以下の個人や事業者である免税事業者との取引においても、買い手側の課税事業者は仕入税額控除を受けることができました。

この制度下では売り手の免税事業者が買い手から消費税を得ているのにも関わらず、納税を免れているためにその受け取っている消費税が収益に含まれてしまっている状態が起きていました。

これを「益税問題」と呼びます。

しかしインボイス制度導入後、買い手側は税務署の認可の下インボイスを発行する権利を持つ事業者(適格請求書発行事業者)との取引でしか仕入税額控除を受けられなくなりました。

そして免税事業者との取引を行う場合、買い手側が消費税を肩代わりするようになりました。

インボイス制度の概要についてさらに詳しい説明をご覧になりたい方は以下の記事をご覧ください。

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インボイス制度で買い手側がすべきこと

ここまでインボイス制度の概要や仕組みについてみてきましたが、ここからは買い手側の課税事業者が、インボイス制度でどのようなことをしていくべきなのかについて解説していきます。

買い手側の対応は、大きく次の6項目に整理できます。下のチェックリストで、自社の対応状況を確認してみてください。このうち1〜3は本章で、4〜6は次章「買い手側の注意点」で詳しく解説します。

#確認項目確認のポイント
1取引先が適格請求書発行事業者か確認できているか請求書等に記載された登録番号を国税庁の公表サイトで照合する。未登録の取引先からの仕入れも、下記3の帳簿記載と、区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等の保存を満たせば経過措置の対象になる
2受領した請求書等がインボイスの記載事項を満たしているか従来の請求書に登録番号・適用税率・税率ごとに区分した消費税額等の3項目が加わっている。不足があると仕入税額控除を受けられない
3免税事業者等からの仕入れを帳簿で区分できているか経過措置の適用を受ける旨(例:「80%控除対象」、または免税事業者からの仕入れを示す「免」の記号など)を帳簿に記載する必要がある
42026年10月1日からの控除割合の切り替え準備ができているか控除割合が80%から70%に下がる。会計・経費精算システムに70%の税区分を追加する(帳簿に「80%控除対象」と割合を明記している場合は記載文言も見直す)
5免税事業者等の取引先1社ごとに年間仕入額(税込)を把握できているか2026年(令和8年)10月1日以後に開始する課税期間では、税込1億円(改正前:税込10億円)を超える部分に経過措置を適用できない。控除割合の切り替えとは開始時期が異なり、3月決算なら2027年4月開始期から効く
6インボイスと帳簿を保存できているか電子データで受領したものは電子帳簿保存法の保存要件に従う
インボイス制度で買い手側がすべきことチェックリスト

※1〜4の根拠は次の資料で確認できます。出典:国税庁|インボイスQ&A 問113(令和8年4月改訂・免税事業者等からの仕入れに係る経過措置)(最終確認日:2026年8月6日)

※5の上限額の見直しは令和8年度税制改正によるものです。出典:国税庁|令和8年度税制改正特集(インボイス制度関係)(最終確認日:2026年8月6日)

取引先が適格請求書発行事業者か確認

まず、取引先が適格請求書発行事業者か確認しましょう。

先述の通り、免税事業者の取引先から受け取った請求書・領収書では仕入税額控除を受けることができません。

よって買い手は取引先の事業者が適格請求書発行事業者であり、受け取った請求書・領収書などがインボイスであることを確認することが大切です。

ここでもし取引先が免税事業者だった場合、以下のような解決策が考えられます。

  • 免税事業者と取引条件を交渉する※
  • 免税事業者が課税事業者となり、適格請求書を発行できるようにする
  • 新たな適格請求書発行事業者である取引先を模索する

※不当な要請や交渉は中小受託取引適正化法(旧・下請法)や独占禁止法に違反する可能性があるため注意が必要です。

詳細については以下の記事をご覧ください。

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仕入税額控除を受けられないということは余分な消費税を支払うということになり、会社の利益にも大きく影響を及ぼします。

制度の変更を機に、自社にとって最適な取引先を検討するようにしましょう。

取引先の登録番号の確認

次に買い手側は、取引先から受領した請求書等がインボイスであることを確認するために、登録番号の確認をする必要があります。

取引先から請求書等を受け取ったら、まずはその取引書類に記載されている登録番号の有無と登録内容を確認するようにしましょう。

なお適格請求書発行事業者の情報については、交付された請求書等に記載された登録番号をもとに国税庁の公式サイトで確認することができます。

参考:国税庁適格請求書発行事業者公表サイト

受け取ったインボイスの保存

インボイス制度導入以後、課税事業者が仕入税額控除の適用を受けるにはインボイスの保存と法定事項を記載した帳簿の保存をしなければいけなくなりました。

なお、インボイスの保存期間は7年間(事業年度の確定申告の提出期限の翌日から7年間)となっています。

また電子取引による電子データでの請求書等の受領であった場合、電子帳簿保存法の保存要件に基づいた保存をしなければならないことに注意しましょう。

2022年の電子帳簿保存法の改正について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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買い手側の注意点

次に、インボイス制度において、買い手側が気をつけるべきポイントを解説していきます。

免税事業者との取引において仕入税額控除の経過措置が認められる

まず、免税事業者との取引において仕入税額控除の経過措置が認められる点です。

制度が大きく変わることへの配慮から、免税事業者などからの仕入れについては、支払った消費税相当額のうち一定割合を控除できる経過措置が設けられています。この経過措置は令和8年度税制改正で期限が2年延長され、控除できる割合も見直されました。現在は2023年10月から2031年9月までの8年間で、80%→70%→50%→30%と4段階で縮小していくスケジュールです。

期間仕入税額控除できる割合
2023年10月1日〜2026年9月30日仕入税額相当額の80%
2026年10月1日〜2028年9月30日仕入税額相当額の70%
2028年10月1日〜2030年9月30日仕入税額相当額の50%
2030年10月1日〜2031年9月30日仕入税額相当額の30%
2031年10月1日以降控除不可(原則)
免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置(令和8年度税制改正後)

※上表の内容は次の資料で確認できます。出典:国税庁|インボイスQ&A 問113(令和8年4月改訂・免税事業者等からの仕入れに係る経過措置)(最終確認日:2026年8月6日)

インボイス制度の経過措置スケジュール。免税事業者等からの仕入れは2026年9月まで80%、2028年9月まで70%、2030年9月まで50%、2031年9月まで30%を控除でき、2031年10月以降は控除不可

インボイス制度の経過措置に関する記事はこちら

上の表と図のとおり、経過措置で控除できる割合は時間の経過とともに低くなっていき、2031年10月1日以降はこの経過措置がなくなります。取引先が免税事業者で、尚且つ仕入税額控除を受けたいという方は早めに対処するようにしましょう。

※なお本経過措置の適用にあたって必要なものは以下の通りです。

  • 免税事業者等から受領する区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等の保存
  • 本経過措置の適用を受ける旨(例:「80%控除対象」「免」など)を記載した帳簿の保存

ここで帳簿に求められているのは、あくまで「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨」の記載であり、控除割合そのものの記載までは要件とされていません。そのため「免」「免税事業者からの仕入れ」のように割合を含まない記載で運用している場合は、2026年10月以後も切り替えは不要です。

一方、「80%控除対象」のように割合を明記して運用している場合は、実際の控除割合と食い違わないよう記載文言を見直しておきましょう。「※」「☆」などの記号で表示し、「※は80%控除対象」といった凡例を帳簿とは別途明らかにする方法をとっている場合は、凡例側の表記もあわせて見直します。

また、経過措置には金額の上限があります。取引先1社からの年間の仕入れ(経過措置の対象となるもの)が一定額を超えると、超えた部分には経過措置を使えません。この上限額は2024年(令和6年)10月1日以後に開始する課税期間では税込10億円でしたが、2026年(令和8年)10月1日以後に開始する課税期間からは税込1億円に引き下げられます

ここで注意したいのは、上限額が下がるタイミングが控除割合の切り替えとは異なる点です。控除割合は課税仕入れを行った日で判定しますが、上限額は課税期間単位で切り替わるため、3月決算の企業なら2027年4月1日に開始する事業年度から効いてきます。また、上限を超えた部分だけが経過措置の対象外になるもので、超えたからといって全額が対象外になるわけではありません。免税事業者などからの仕入れが多い企業ほど影響を受けやすいため、免税事業者等の取引先ごとに年間仕入額(税込)を把握できる状態にしておきましょう。

※上限額の見直しは令和8年度税制改正によるものです。出典:国税庁|令和8年度税制改正特集(インボイス制度関係)(最終確認日:2026年8月6日)

2026年10月1日から仕入税額控除できる割合が70%に下がる

2026年10月1日は、経過措置の控除割合が80%から70%に切り替わる日です。切り替えは自動的に行われるものではありません。会計処理・帳簿・システム設定を、実務として見直す必要があります。買い手側のやることを、あわせて売り手側の動きも添えて、切り替え日の前後で整理すると次のとおりです。

インボイス制度の経過措置縮小に向けた買い手側・売り手側のやることマトリクス。2026年9月30日までと2026年10月1日以降に分け、税区分の追加・帳簿記載の見直し・年間仕入額1億円の上限・特例の確認事項を整理

買い手側で特に間違えやすいのが、控除割合をどの時点で判定するかです。経過措置の80%・70%といった割合は「期間」に対応して定められており、その期間の判定は課税仕入れを行った日(資産の譲受け・借受けをした日、または役務の提供を受けた日)によります。請求書の発行日や受領日ではない点に注意しましょう。

そのため、9月中に仕入れたものの請求書が10月に届くといったケースが出てきます。2026年10月に処理する取引には、9月30日までの課税仕入れ(80%)と10月1日以後の課税仕入れ(70%)が混在することになります。

※「課税仕入れを行った日」の意義は消費税法基本通達で定められています(経過措置の期間区分は問113)。出典:国税庁|消費税法基本通達 11-3-1(課税仕入れを行った日の意義)(最終確認日:2026年8月6日)

システム側で先に確認しておきたいのが、70%の税区分の提供時期です。会計・経費精算システムのベンダーに提供時期を確認したうえで、既存の80%区分は削除せず、課税仕入れの日で80%と70%を使い分けられる状態にしておきます。10月以降に9月分を追加計上したり、過年度の修正が発生したりする場面で80%区分が必要になるためです。

また、帳簿への記載は経過措置を適用するための要件です。記載が漏れると経過措置そのものが使えず、免税事業者等からの仕入れにかかる消費税を全額自社で負担することになります。

こうした切り替えを正確に行う前提になるのが、受け取った請求書を1枚ずつ「誰が発行したものか」「登録番号があるか」まで把握できている状態です。ここさえ整っていれば、税区分の切り替えも帳簿記載の変更も設定作業で済みます。逆に、紙とPDFが部署ごとに散らばったままでは、切り替え日をまたいだ請求書の突合に時間がかかります。

簡易課税制度や2割特例ではインボイスの保存なしで仕入税額控除を受けられる

なお、ここから紹介する簡易課税制度・2割特例・3割特例は、いずれも小規模な事業者向けの制度です。基準期間の課税売上高が5,000万円を超える企業には該当しないため、当てはまらない場合は読み飛ばして構いません。

簡易課税制度を選択している買い手は、インボイスの保存をすることなく仕入税額控除を受けることができます。

簡易課税制度とは、中小企業を対象に、消費税の税額計算の負担を軽くするために設けられた制度で、

主な適用条件としては

  • 前々年または前々事業年度の課税売上高が5000万円以下であること
  • 前年または前事業年度までに、「消費税簡易課税制度選択届出書」を所轄税務署に提出していること

の2点です。

簡易課税制度について、さらに詳しい内容を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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また2割特例を選択している場合にもインボイスの保存なく、仕入税額控除を受けることができます。

2割特例というのは、インボイス制度導入を機に適格請求書発行事業者に転換した免税事業者に対して、納税額を売り上げ税額の2割とする特例措置のことです。

ただし2割特例には期限があります。使えるのは2026年(令和8年)9月30日を含む課税期間までで、個人事業者であれば令和8年分の申告が最後です。令和8年度税制改正では、これに続く措置として「3割特例」が新設されました。対象は個人事業者だけで、令和9年分と令和10年分の申告において納付税額を売上税額の3割にできます。法人は使えません。

特例対象適用できる期間納付税額
2割特例適格請求書発行事業者の登録により免税事業者から課税事業者になった事業者(法人・個人)令和8年9月30日を含む課税期間まで(個人事業者は令和8年分の申告が最後)売上税額の2割
3割特例個人事業者のみ(主な要件:適格請求書発行事業者の登録により免税事業者から課税事業者となったこと・基準期間の課税売上高1,000万円以下・適格請求書発行事業者の登録を受けていること)令和9年分・令和10年分の申告売上税額の3割
2割特例と3割特例の違い

なお、3割特例の適用を受けるには確定申告書にその旨を付記する必要があります。上記は主な要件のため、課税期間を短縮している場合など適用できないケースもあります。法人は3割特例の対象外であるため、2割特例が終わったあとは、原則どおりの計算方法(一般課税)か簡易課税での申告になります。

2割特例・3割特例を使った翌課税期間に簡易課税制度を選びたい場合は、その翌課税期間の確定申告期限までに、その課税期間から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出すればよい移行措置が設けられています。ただし、その翌課税期間が令和8年9月30日以前に終了する場合は、提出期限が申告期限ではなくその課税期間の末日までとなる点に注意しましょう(申告期限の延長特例を受けている法人は、延長後の期限が届出期限になります)。

※3割特例の要件は令和8年度税制改正特集、簡易課税への移行措置の提出期限はQ&A問117で確認できます。出典:国税庁|令和8年度税制改正特集(インボイス制度関係)国税庁|インボイスQ&A 問117(令和8年4月改訂)(最終確認日:2026年8月6日)

簡易課税制度と2割特例は売上に係る消費税額を計算するため、仕入れに係る税額の実額計算が不要になります。

それに伴い、インボイスの保存の必要もなくなる点に注意しましょう。

ただし、これはあくまで仕入税額控除の要件としての保存が不要になるという意味です。自社が売り手として交付したインボイスの写しの保存義務や、法人税法・所得税法上の帳簿書類の保存義務は残るため、受領した請求書を捨ててよいわけではありません。

インボイス制度で売り手側がすべきこと

次に売り手側の事業者の方々がインボイス制度下でしなければいけないことを解説していきます。

自社の適格請求書発行事業者としての登録(免税事業者の場合)

インボイス制度では売り手が免税事業者であるとき、課税事業者は仕入税額控除を受けられません。

そのため、免税事業者が取引先として課税事業者に敬遠されやすくなることが予想されます。

比較的小規模な事業者や個人など課税を受けることが苦しい方は慎重に判断するべきですが、自社の経営状況と相談した上で課税事業者に転換する余裕があると判断できたならば、適格請求書発行事業者としての登録を行いましょう。

適格請求書発行事業者としてインボイスを交付するためには、税務署長に登録申請を行い、適格請求書発行事業者としての登録を受ける必要があります。

税務署からインボイス発行事業者に登録されると、登録通知書が送られてきます。

それを元に登録番号等の公表情報を取引先に連絡しましょう。

インボイスを交付する際の注意点として、記載する名称、所在地、登録番号は、登録通知書の内容に統一するようにしましょう。

表記揺れは、取引先のバックオフィス業務の効率を妨げる要因となります。

取引先との円滑な取引のために気をつけるようにしましょう。

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適格請求書に対応した請求書の発行

インボイスに対応した請求書等を交付するには以下6項目を記載することが必要になります。

  1. 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  2. 取引年月日
  3. 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  4. 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
  5. 税率ごとに区分した消費税額等
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

インボイスの記載様式は法律で明確に定められているわけではないため、上記6項目を満たしていれば問題なく交付することができます。

また、インボイスは「電子インボイス」という形でも交付することができ、控えについても電子で保存することが可能です。

ただし、その際は電子帳簿保存法の要件に従う必要があるので注意しましょう。

電子インボイスを導入することによる4つのメリット

ここまでの文章を読んで、インボイス制度に対応することはかなりの労力を費やすことが理解いただけたかと思います。

しかし、取引書類を電子化することで、経理業務の負担軽減に繋がる場合もあります。

インボイス制度においては、システムを導入し、電子インボイスを活用していくことで業務効率化が図られるでしょう。

以下で電子インボイスを活用することで得られるメリットを4点ご紹介していきます。

1. 業務を効率化できる

まずシステムで電子インボイスを管理することで経理業務の効率化が可能になります。

インボイスは国として規格統一されているため、消費税などの法改正に合わせて多くの会社でシステム対応が行われることが予想されます。

インボイスを管理できるシステムを導入することで、請求情報の取り込み、仕入税額控除の計算の自動化が可能になり、これにより大幅な作業時間の削減が見込まれるでしょう。

インボイス制度に対応したシステムについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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2. ペーパーレス化によるコスト削減が進む

2つ目のメリットは、取引書類を電子化することでコストカットに繋がる点です。

インボイス制度下では、金額を問わず全ての適格請求書には7年間の保管が義務付けられています。

これらの書類を電子データとして保存することで、保管場所の確保、ファイリング業務の必要がなくなり、それに伴う保管場所の費用や人件費の削減が見込まれるでしょう。

そして電子データであれば、検索が容易になり、目当ての書類も簡単に取り出すことが可能になるでしょう。

3. 請求書業務をテレワークで行える

3つ目のメリットは、テレワークが可能になるという点です。

経理業務の中でも、請求書の業務は在宅で対応することが難しいとされてきました。

しかし、システムを利用すれば、時間や場所にとらわれずに請求書業務を行うことができます。

システム活用を機にテレワークができるようになるのは、経理担当者にとって大きなメリットであると言えます。

4. 海外取引に対応できるようになる

最後のメリットとして、海外取引にも電子インボイスが使えるという点です。

日本では電子インボイスの規格を国際的な標準規格である「Peppol」に準拠することが発表されました。

これにより海外企業との取引でも、国内と同様の電子インボイスでやり取りすることが可能となります。

なお電子インボイスや国際的な標準規格である「Peppol」についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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まとめ|買い手側のインボイス受領・保存ならTOKIUMインボイス

今回はインボイス制度の概要と買い手側がどう対応すべきかについてを中心に解説しました。

インボイス制度導入以降、買い手側は仕入税額控除を受けるためには適格請求書発行事業者との取引をしなければならなくなり、また免税事業者である売り手側も、課税事業者へ転換するケースも増えるようになりました。

さらに、令和8年度税制改正によって経過措置は2年延長され、控除できる割合も4段階に見直されました。2026年10月1日からは70%に下がります。帳簿の記載や会計システムの税区分を切り替える必要があるため、切り替え日までに社内の運用を確認しておきましょう。

インボイス制度は複雑な部分もある反面、適切に対応することで、業務の効率化を実現することができます。

経理業務の効率化を実現したいと考えている方は、この機会にインボイス制度と電子帳簿保存法に対応したシステムの活用を検討してみましょう。

ただし、システムを入れても取引先から届いた請求書を集め、どれが誰から届いたもので登録番号があるかを1枚ずつ確認する工程そのものは残ります。2026年10月の切り替えでは、この確認が控除割合の判定にも直結するため、受領まわりの負荷も上がります。

TOKIUMインボイスは、取引先から届く請求書を紙・メール・システムのいずれの形式でも代わりに受け取り、請求書情報をデータ化したうえで、電子帳簿保存法の要件に沿った保存までを担うサービスです。確認や入力の作業そのものが減るため、経過措置の切り替え時に見直しが必要な請求書を、形式を問わず1か所で確認できる状態を保てます。インボイス対応にかかる受領業務の負担を根本から見直したい方は、TOKIUMインボイスのサービス紹介資料をダウンロードのうえご検討ください。

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