インボイス制度

インボイス制度における3つの対策!失敗しない免税事業者との付き合い方

公開日:2022.07.27更新日:2022.07.28
インボイス制度の対策

インボイス制度に向けた対策が必要だと聞く機会が多いですが、実際にどのような対策が必要かご存知でしょうか?

2023年10月1日からインボイス制度が始まります。インボイス制度開始後は、仕入税額控除を受けるためには適格請求書(インボイス)の保存が必要です。しかし、適格請求書を交付できるのは課税事業者に限られるため、免税事業者との取引がある企業は大きな影響を受けることになります。

そこで本記事では、インボイス制度に向けて、免税事業者との取引がある企業が行うべき3つの対策を解説していきます。準備のスケジュールについてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

インボイス制度ガイド

インボイス制度への対策が必要な理由

まずは、インボイス制度への対策が必要な理由を、納税額と経理業務の観点から理解しておきましょう。それぞれの理由を詳しく解説してきます。

納税額を増やさないため

インボイス制度への対応を行う最大の理由として、仕入税額控除を満額適用し納税額を増やさないということが挙げられます。
仕入税額控除とは、売上にかかった消費税額から仕入れにかかった消費税額を控除することです。仕入税額控除を行わなければ、本来消費者が負担するはずの消費税が二重三重に累積し、事業者の税負担が増えてしまいます。

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インボイス制度開始以降は、適格請求書発行事業者が発行した請求書(適格請求書)を保存しなければ、仕入税額控除ができなくなります。なお、適格請求書の発行は、課税事業者にしか認められていません。すなわち、免税事業者との取引においては、仕入税額控除ができず自社の納税額が増えてしまうということです。※2029年までは経過措置の期間あり(後述)

このように免税事業者との取引がある事業者は、インボイス制度により税負担が増加するので、何らかの対策を講じる必要があります。

経理作業の煩雑化を防ぐため

上述の通り、インボイス制度が始まると適格請求書の保存が必要になります。適格請求書は、登録番号や適用税率など、記載すべき事項が決められています。内容に不備があった場合は適格請求書として認められず、仕入税額控除を受けられない恐れがあります。

そのため、受け取った請求書を今まで以上に細かくチェックすることが必須となり、インボイス制度開始後は経理作業が煩雑化することが想定されます。既存の業務フローを見直したり、請求書処理業務を効率化できるITツールを導入するなど、対応の準備を進めておく必要があるでしょう。

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インボイス制度に向けた社内での準備

インボイス制度の対策が必要な理由は分かったけれど、具体的な対策スケジュールについても気になるかと思います。

自社の登録申請スケジュールを確認する

インボイス制度において、適格請求書を発行できるのは「適格請求書発行事業者」の認定を受けた課税事業者ということは上述した通りです。この認定を受けるためには、事前に登録申請を行う必要があります。そのため、登録申請を最優先で行い、取引先からの適格請求書交付の求めに応じられるようにしましょう。

なお、インボイス制度が開始される2023年10月1日に間に合うためには、2023年3月31日までに登録申請書を税務署に提出する必要があります。また、免税事業者の場合は事業者登録に加えて「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者になる必要があります。

2029年までの経過措置についても把握する

中には、2023年10月1日までに対応が間に合わない場合もあるでしょう。しかし、2029年までは「経過措置」とよばれる期間が設けられており、適格請求書発行事業者ではない事業者からの仕入でも、一定の割合で控除が可能となっています。その場合は、請求書の保存と、本経過措置の適用を受ける旨を記載した帳簿を保存する必要があります。

▼ 経過措置を含めたインボイス制度のスケジュール

2023年10月〜インボイス制度開始
〜2026年10月免税事業者からの仕入れにつき80%控除可能
〜2029年10月免税事業者からの仕入れにつき50%控除可能
2029年10月以降控除不可

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インボイス制度における3つの対策

インボイス制度は、自社だけが準備をすれば良いものではありません。取引先の状況によって影響が出てくるため、社外を含めた3つの対策について具体的に見ていきましょう。

1. 取引先が適格請求書発行事業者であるかを確認する

インボイス制度においては、取引先が適格請求書を発行できるかどうかが非常に重要になってきます。そのため、取引先が適格請求書発行事業者であるかの確認を必ず行いましょう。

確認する方法としては大きく二つあります。
一つ目は、自社の登録番号の通知と併せて確認する方法です。自社の適格請求書発行事業者番号の通知と依頼を兼ねた文書を作成し、取引先の登録状況を確認します。このようにすることで、取引先が適格請求書発行事業者か確認できるだけでなく、自社がインボイス制度に対応していることを取引先が認識できます。

二つ目は、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで確認する方法です。国税庁の以下のサイトで調べることができます。

国税庁インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイト

サイトで公表される内容は以下の通りです。

  • 適格請求書発行事業者の氏名又は名称
  • 法人(人格のない社団等を除く)については、本店又は主たる事務所の所在地
  • 特定国外事業者以外の国外事業者については、国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地
  • 登録番号
  • 登録年月日
  • 登録取消年月日、登録失効年月日

2. 適格請求書発行事業者の登録を促す

取引先の課税事業者がまだ登録申請を行っていない場合は、早めの登録を促すようにしましょう。また、免税事業者の取引先に対しても継続的な取引を考えているのであれば、課税事業者への転換を提案するのも一つの方法です。

適格請求書を受け取ることができず仕入税額控除を受けられないのは、自社にとって大きな負担となってしまいます。課税転換をお願いする場合、取引先は今まで納税しなかった消費税を納める必要があるため、取引価格の引き上げを求めてくる場合があります。一方的に拒否すると、下請法や独占禁止法といった法律に抵触する恐れがあるため、しっかりと協議した上で取引価格の見直しに応じることが大切です。下請法と独占禁止法については、最後の章で解説します。

3. 取引価格の調整を依頼する

免税事業者によっては、課税事業者への転換を受け入れない事業者もいるかと思います。その場合は、仕入税額控除ができない分の取引価格引き下げをお願いするのも、一つの対策です。ただし、取引先免税事業者の負担が増えるため、取引価格の交渉がうまく進まないことも十分考えられます。
そのような場合には、追加コストを考慮して取引を停止するという判断も視野に入れるべきでしょう。ただし、交渉に応じないからといって一方的に取引の停止を行ってしまうと、先ほどと同様に法律に抵触する恐れがあるので、注意が必要です。

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失敗しない免税事業者との付き合い方

インボイス制度を踏まえて、免税事業者と取引条件を交渉したり、場合によっては取引の停止を考える事業者も多いと思います。しかし、交渉の仕方や内容によっては、独占禁止法及び下請法違反になるリスクがあることを理解しておきましょう。

独占禁止法や下請法は、取引上強い立場にある規模の大きな企業から、フリーランスや中小規模の事業者、下請事業者の利益を守るための法律です。例えば、「価格交渉に応じなければ取引を停止する」と一方的に通告するなどの行為は、独占禁止法における「優越的地位濫用」に当てはまる恐れがあります。これらの法律に抵触しないために、取引先とは対等な関係で真摯に対応することが大切です。

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インボイス制度の対策まとめ

インボイス制度における3つの対策について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
適格請求書(インボイス)を発行できる事業者は課税事業者に限定されているため、免税事業者との取引が多い企業は大きな影響を受けるでしょう。
できるだけ不利益を被らないためにも、早め早めの準備や対策を行うことが大切です。同時に経理業務の煩雑化が予想されますので、この機会に業務フローの見直しや、ITツールの導入による業務効率化も検討していきましょう。

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