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【2022年最新】電子帳簿保存法に対応した請求書の保存方法

公開日:2021.12.27更新日:2022.08.30
女性社員がPCで仕事をしている

2年の猶予を経て、2024年1月から施行される改正電子帳簿保存法。対応を急ぐ経理部の方も多いでしょう。また2023年10月から開始するインボイス制度下においては、請求書の控え(写し)の発行と保存の義務も生じます(後述)。

本記事では、電子帳簿保存法に対応するための請求書の保存方法を解説します。請求書の電子保存の要件保存期間についても触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法は、一定の条件を満たすことで国税関係帳簿や国税関係書類を、電子化して保存できる法律です。請求書をはじめとした国税関係書類に関しては、相手方から紙で受け取った書類は「スキャナ保存」電子データ上で受け取った場合は「電子取引」という方式で保存が可能です。

また、電子帳簿保存法は施行以降、時代のニーズに応じて以下のように法改正が行われています。

  • 2015年:電子署名の義務化・金額上限の廃止
  • 2016年:スキャナ保存要件の緩和
  • 2020年:電子決済の利用明細を証憑と認める
  • 2022年(2年猶予):紙保存の廃止、タイムスタンプ要件緩和、税務署長の承認不要

2022年1月(2年猶予を経て2024月1月から施行)より、PDF等を紙面印刷して保存することが認められなくなったり(紙保存の廃止)、今まではかなり厳しかったタイムスタンプ付与の要件が緩和されたり、電子帳簿保存法の適用に関してそもそも税務署長に申請して、承認をもらう手続きが不要になるといった電子化を促す要件緩和が進められました。
他にもさまざまな改正項目があるので、改正の詳細について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
▶︎【2022年】電子帳簿保存法をわかりやすく解説!改正後の変更点・要件緩和についても紹介!

電子帳簿保存法ガイドバナー

請求書の電子保存の要件【スキャナ保存/電子取引】

請求書を電子保存する際は、それぞれ要件を満たす必要があります。ここでは、スキャナデータの保存要件と電子データ(電磁的記録)の保存要件について詳しく解説します。

スキャナデータの保存要件

請求書をスキャナデータで保存する際に必要な要件には、「真実性の確保」と「可視性の確保」の二つがあります。

スキャナ保存に係る要件 重要書類 一般書類
真実性の確保 入力期間の制限  
一定水準以上の解像度(200dpi以上)による読み取り
カラー画像による読み取り  
解像度及び階調情報の保存
大きさ情報の保存  
2ヶ月以内にタイムスタンプを付与 (訂正削除の記録が残るシステムで保存する場合は不要)
可視性の確保 スキャン書類と帳簿との相互関連性の保持
見読可能装置の備付け
電子計算機処理システムの開発関係書類等の備付け
検索機能の確保※
①取引年月日、取引金額、取引先での検索
②日付及び金額の範囲指定
③その他2項目以上の項目を組み合わせた条件で検索
※税務調査でのダウンロードの求めに応じる場合、②③は不要

真実性とは、請求書をどのようなルールで誰がいつ行ったかなどの証拠を細かく残すことです。その証拠付けとしては、タイムスタンプを付与する方法があります。タイムスタンプを付与することで、後付けの請求書ではないことを立証し、データ改ざんを否定することになります。

可視性とは、法令で決められた機器を用いて、かつ検索機能を付帯させることです。税務署の監査などにおいて、必要なデータをすぐに見つけられるようにしておく必要があります。

▶︎【紙保存がNGに】電子帳簿保存法についての解説記事を読む
 

電子データ(電磁的記録)の保存要件

電子データで受け取った請求書を、電子データとして保存する際の要件も、「真実性の確保」と「可視性の確保」の二つです。

真実性の確保 以下の措置のいずれかを行うこと

①タイムスタンプが付された後、取引情報の授受を行う
②取引情報の授受後、速やかに(又はその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに)タイムスタンプを付すとともに、保存を行う者又は監督者に関する情報を確認できるようにしておく
③記録事項の訂正・削除を行った場合に、これらの事実及び内容を確認できるシステム又は記録事項の訂正・削除を行うことができないシステムで取引情報の授受及び保存を行う
④正当な理由がない訂正・削除の防止に関する事務処理規程を定め、その規定に沿った運用を行う
可視性の確保 保存場所に、電子計算機(パソコン等)、プログラム、ディスプレイ、プリンタ及びこれらの操作マニュアルを備え付け、画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できるようにしておくこと
電子計算処理システムの概要書を備え付けること
以下の検索機能(※1 ※2)を確保すること
①取引年月日、取引金額、取引先により検索できること
②日付又は金額の範囲指定により検索できること
③二つ以上の任意の記録事項を組み合わせた条件により検索できること

※1 税務職員による質問検査権に基づく電磁的記録のダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、②③不要
※2 保存義務者が小規模な事業者でダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、検索機能不要

電子データは受け取った日時がわかる、かつ訂正・削除の履歴が残るようにします。これは、主にデータ改ざんの可能性をなくすためです。

また、電子データが、どの帳簿に記載されているかを明らかにする必要があります。主に検索機能を付帯させることで、すぐに見つけられるようにしましょう。

加えて、電子データは、パソコンやプリンターを設置し、必要に応じて紙媒体にできる状態をつくっておかなければなりません。また、誰でもできるよう操作マニュアルなども置く必要があります。

受領した請求書を電子保存する方法【買い手の立場】

取引先から請求書を受け取るケースは、大きく分けて紙と電子データ(PDF等)があり、それぞれ保存方法が異なります。

の請求書を受領した場合

紙の請求書を受け取った場合、保存方法は以下の2つです。

  • 紙のまま保存
  • 紙媒体の請求書をスキャンし、電子データで保存

本記事では、後者の「紙媒体の請求書をスキャンし、電子データで保存」したケースについてのみ解説します。紙のまま保存する従来の方法については、本記事では割愛します。以下の記事でご確認ください。
▶︎請求書のファイリング方法について解説した記事を読む

紙の請求書を電子データで保存する際は、電子帳簿保存法におけるスキャナ保存方式に則る必要があります。実際の作業の流れとしては①スマートフォンで紙原本を撮影したり、スキャナで読み込み、自社開発or市販システム上にアップロードし、②2ヶ月以内に画像データにタイムスタンプを付与する(訂正削除の記録が残るシステムであれば、タイムスタンプ付与は不要)運用になるかと思われます。なお外部ベンダーの提供しているタイムスタンプ付与型のシステムであれば、基本的にはユーザーが画像データをアップロード後にタイムスタンプが自動的に付与されるため、②に関してはユーザー側での特別な対応は不要です。

たかが電帳法対応のためにシステムを導入するのはコストが見合わないという意見には非常に頷けます。一方、仮にタイムスタンプを自社で付与する場合は時刻認証業務認定事業者と契約する必要があり、訂正削除の記録が残るシステムを自社開発するのは巨大企業でもない限り、もっと割に合わないとも考えられます。
したがって、外部ベンダーが提供している電帳法対応のシステムを使う判断をし、一方でこの機会に費用ではなく費用対効果を指標として、業務効率化を実現できるシステムを選定するのが妥当な打ち手であるというのが当編集部の見解です。

なお、電帳法対応にあたり、タイムスタンプ付与型のシステムを使うか否かについての議論を以下の記事で行なっています。ぜひ参考にしてください。

電子データの請求書を受領した場合

電子データの請求書の場合、保存方法は以下の2つです。

  • 電子データのまま保存
  • 電子データを紙媒体にして保存(2024年1月以降は廃止

電子帳簿保存法の改正により、後者のPDF等の電子データを紙に印刷して保存する方法は2024年1月以降法は不可となります。したがって、本記事では、前者の「電子データのまま保存」する方法についてのみ解説します。電帳法の改正内容については、以下よりご確認ください。

▶︎電子帳簿保存法についての解説記事を読む

電子データのままの保存は、電子帳簿保存法の電子取引方式に則る必要があります。実際の運用としては、紙の電子化時と基本的には同じです。①受け取ったPDF等を自社開発or市販システム上にアップロードし、その上で②2ヶ月以内に画像データにタイムスタンプを付与する(訂正削除の記録が残るシステムであれば、タイムスタンプ付与は不要)運用になります。なお外部ベンダーの提供しているタイムスタンプ付与型のシステムであれば、基本的にはユーザーが画像データをアップロード後にタイムスタンプが自動的に付与されるため、②に関してはユーザー側での特別な対応は不要です。

自社発行した請求書の控えを保存する場合【売り手の立場】

請求書の控えを保存する必要があります。控えについても、紙と電子の2パターンがあり得ますが、紙・電子ともに保存する方式は先述の請求書と全く同じですので、本項においては割愛します。

インボイス制度開始後は控えの作成義務が生じるので注意

なお2022年6月現在では、請求書控えを発行した場合は保存義務があるものの、作成自体の義務はありません。一方、2023年10月より開始するインボイス制度が始まると、仕入税額控除を受ける上で請求書控えの作成+保存の義務が生じます。この件については、以下の記事でも触れているので改めてご確認ください。

▶︎請求書の控え(写し)の管理方法は?インボイス制度により作成・保存が義務化!

請求書の保存期間【紙も電子も期間は同じ】

請求書の保存期間は、法人税法および所得税法にて以下のように定められています。この期間は紙保存、電子保存どちらも変わりません。

  • 法人:7年(欠損金の繰越控除は10年間適用)
  • 個人事業主:5年(消費税納税者は7年)

法人の場合は、帳簿および証憑書類を7年間保存する必要があります。また、平成30年4月以降の欠損金に関する請求書については、10年間の保存義務があります。

個人事業主の場合は、帳簿および証憑書類を5年間保存しなければなりません。なお、消費税課税事業者は7年間の保存義務があります。消費税課税事業者は、前々年度の課税売上高が1,000万円を超える事業者が対象です。

個人事業主は証憑書類を保存していないことで、青色申告が取り消しになる場合があります。念のために、帳簿および証憑書類は7年間保管するようにしましょう。

▶︎請求書の保存期間は7年?10年?【最新法改正から実務の注意点まで徹底解説】

請求書を電子保存するメリット5つ

請求書を電子保存するメリットを5つご紹介します。

①ケアレスミスが許されないノンコア業務から解放される

取引先から請求書を受け取る場合、原本を確認、開封して金額等のデータ入力をする必要があります。ノンコアにも関わらず、ケアレスミスが許されない業務であるため、この作業に毎月苦しむ経理部の方も多いのではないでしょうか?

例えば、TOKIUMインボイスを利用すると、紙やPDF、専用システムに関わらず請求書の受領、データ化、原本保存全てを代行してもらえるため、毎月初の神経質な作業から経理部が解放されるようになります。データ化の作業はTOKIUMのオペレーターが99.98%の精度で実施するため、入力精度を疑うことなく利用が可能となります。

受領の段階でのタイムスタンプ付与+原本保管までがサービス内容に含まれているため、導入企業側は電子帳簿保存法への対応と請求書受領業務の効率化が実現可能となります。

なお、TOKIUMインボイスは、電子帳簿保存法対応の証であるJIIMA認証を受けるだけでなく、認証元の日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が実際に利用しているサービスです。ぜひこの機会にご検討ください。

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紙や保管場所、人件費などのコスト削減になる

請求書を紙媒体ではなく電子保存することで、紙や保管にかかるコストを抑えられます。また、事務処理にかかる人件費のコストダウンにもなります。

事務作業がなくなることで、請求額のチェックや確認作業に時間を使えます。これにより、支払い漏れなどのミスも減らせ、クライアントとの円滑な取引につながります。

③事務処理の負担を減らし、業務効率化につながる

請求書が電子保存になると、請求書の整理作業がなくなります。また、管理はオンラインで一括でできるようになり、検索性も上がるでしょう。

事務作業がなくなることで、経理担当者などは他の業務に時間を割けるようになります。結果として、企業における業務効率化につながります。

④請求書の管理や検索がしやすくなる

紙媒体の請求書は管理が大変です。会社または年度毎に保管しなければならず、保管場所も必要になります。

加えて、請求書が多くなると請求書の調査に時間がかかったり、紛失・破損の可能性があったりします。電子保存であれば、検索は日付・取引金額・取引先で行え、管理もネットワーク上であるため容易です。

保管場所もいらないため、企業内の使用スペース圧迫も防げます。

⑤テレワークが可能になる

TOKIUMインボイス等を利用することにより、請求書の受け取りのための出社がなくなるため、経理部のテレワークも可能となります。

インボイス制度も見据えたシステム検討が重要

2023年10月にインボイス制度が始まった状態においては、現行よりもさらに多くの項目を含む適格請求書を電帳法対応した上で保存しなければならない状況となります。請求書を電子保存する敷居が低くなった今、ぜひ費用対効果の取れるシステムを検討してみてはいかがでしょうか。

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