インボイス制度

電子インボイスとは?国際標準仕様「Peppol」との関係やメリットをわかりやすく解説!

公開日:2021.12.31更新日:2022.07.20
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2023年10月に施行予定のインボイス制度では、売る側が買う側に対して、適用税率や消費税額を伝えるために「適格請求書」を送付することとなります。

従来では紙媒体で請求書を送付するのが一般的でしたが、最近では電子データ化する企業が多くなりました。「電子インボイス」とは、電子データ化された適格請求書のことを指します

また、電子インボイスを扱うにあたって「Peppol」と呼ばれる標準規格を理解する必要があります。

今回は、そんなインボイス制度に関係する「電子インボイス」について詳しく解説します。電子インボイスについて知りたい方や、「Peppol」との関係について知りたい方は参考にしてみてください。

電子インボイスとは

電子インボイスは、適格請求書を電子データ化したものを指します。2023年10月から施行予定の「インボイス制度」において、消費税課税事業者が対象となる仕入税額控除は適格請求書のみが対象です

また、インボイス制度が始まると、法人や個人事業主の方は様々な書類の保管が必要です。その際、紙媒体で保管し続けると管理や保管場所を圧迫する問題が発生します。そこで、各書類を電子化することで紙媒体における問題点を解消しようとする動きがあります。

「電子インボイス制度」という言葉は存在しない

インボイスが始まることで、巷では「電子インボイス制度」とも言われていますが、実際にはそういった言葉は存在しません

インボイス制度が施行されると、買い手と売り手の会計処理や手続きが煩雑になってしまいます。そこで、インボイスを電子データ化することで、スムーズな対応を目指す動きがあります。インボイスは適格請求書を指し、電子化された適格請求書が電子インボイスです。

そのため、これらの言葉が混在して「電子インボイス制度」となったのだと考えられます。

そもそもインボイス制度とは

インボイス制度は、商品やサービスにかかる消費税額・登録番号・適用される税率を、請求書に記載する義務のことです。インボイス制度は前述の通り2023年10月に施行予定です

施行の背景としては、複数税率が導入されてから消費税の仕入税額控除を正確に計算するために行われます。インボイス制度施行前の現在では、「区分記載請求書保存方式」が採用されています。

この方式では、消費税率ごとに取引額を記載する必要がありますが、消費税率や適用税率の記載義務はありません。また、請求書を発行するには税務署に認められた事業者「適格請求書発行事業者」になる必要があります。

現行制度とインボイス制度の違いは以下です。

現行制度インボイス制度
記載事項・税率ごとの取引額 ・登録番号記載なし・税率ごとの取引額と税額 ・登録番号記載あり
発行可能者・全ての事業者・適格請求書発行事業者
発行者の義務・特になし・取引先から要求があれば、発行・写し保存の義務
仕入税額控除における要件・一定の要件を満たした帳簿および請求書の保存・一定の要件を満たした帳簿および適格請求書の保存
税額計算・割り戻し計算・割り戻し計算または積み上げ計算

国際標準仕様「Peppol(ペポル)」とは

「Peppol(ペポル)」は、電子文書をネットワーク上でやりとりするための基準規格です。2021年12月現在、世界40ヵ国で採用されるなど、様々な国で利用されています。

「Peppol」の特徴は、4コーナーモデルと呼ばれるネットワーク構造です。電子文書を送信すると、2点のアクセスポイントを介して受け取られます。このように、送信者と受信者を合わせて4点を通ることが、4コーナーモデルという名称の由縁です。

2023年10月からのインボイス制度に向けて、日本でも「Peppol」を採用しています。2020年に電子インボイス推進業議会が、国内標準規格を「Peppol」に準拠すると発表しました。これにより、インボイス制度の導入に伴う各事業者の経理作業の煩雑さを解消しようとしています。

2021年9月には、デジタル省が日本版「Peppol」の標準仕様案を発表しています。発表先は、Peppolの管理団体「Open Peppol」の公式サイトです。政府としても2023年から施行されるインボイス制度に向けて、日本の法令に対応できるよう調整していることがわかります。

電子インボイスの保存要件

2022年6月現在では、受け取った電子インボイスの保存方法は以下の2つです。

  • 電子データのまま保存
  • 電子データを紙媒体にして保存(2024年1月以降は廃止

電子帳簿保存法の改正により、後者のPDF等の電子データを紙に印刷して保存する方法は2024年1月以降法は不可となります。したがって、本記事では、前者の「電子データのまま保存」する方法についてのみ解説します。

電子インボイスの保存については、電子帳簿保存法の電子取引方式に則る必要があります。実際の運用としては①受け取ったPDF等を自社開発or市販システム上にアップロードし、その上で②2ヶ月以内に画像データにタイムスタンプを付与する(訂正削除の記録が残るシステムであれば、タイムスタンプ付与は不要)運用になります。なお外部ベンダーの提供しているタイムスタンプ付与型のシステムであれば、基本的にはユーザーが画像データをアップロード後にタイムスタンプが自動的に付与されるため、②に関してはユーザー側での特別な対応は不要です。

電子取引の詳細な要件等については、以下の記事でご確認ください。
▶︎電子帳簿保存法についての解説記事を読む

電子インボイス導入のメリット5つ

電子インボイスの導入は、最初のうちは経理作業が煩雑になったり消費税の控除額が減ったりするデメリットもありますが、それ以上にメリットが大きいです。

  • 会計ソフトで経理処理を自動化できる
  • データの改ざんを防げる
  • グローバルでの取引が容易になる
  • 適格請求書の管理や検索が容易になる
  • テレワークで請求書業務が可能になる

以下、詳しく解説します。

会計ソフトで経理処理を自動化できる

電子インボイスによって、煩雑な経理作業を自動化できます。従来の経理作業では、紙媒体の請求書を一枚一枚手入力していました。

さらに、税金の計算なども手作業です。しかし、電子インボイスを導入すれば非効率な経理作業がなくなります。経理担当者も他の業務に時間を割けるようになり、企業は業務の効率化につなげられます。

データ改ざんを防げる

電子インボイスは、データ改ざんの予防として有効です。タイムスタンプ付与や電子署名を導入することで、データ改ざんがされにくい仕組みが確立されつつあります。また、総務省は「eシール」と呼ばれる電子証明書の制度化を進めています。

グローバルでの取引が容易になる

電子インボイスの導入は国内企業との取引だけでなく、海外企業との取引においても有利となります。日本の標準規格として考えられている「Peppol」は、世界40ヵ国で利用されている基準規格です。そのため、電子インボイスを利用することで、海外企業との取引も円滑に進むことが予想されます。

適格請求書の管理や検索が容易になる

電子インボイスを活用することで、適格請求書の管理がしやすくなります。紙媒体の書類管理ではなく、ネットワーク上で管理するため、物理的な保管場所が不要です。

また、ネットワーク上にデータがあるため検索も容易になります。紙ベースでの管理では、書類の検索に時間がかかりますが、検索項目を付帯させることで早急にデータの表示ができます。

テレワークで請求書業務が可能になる

電子インボイスは、ネットワーク上で書類を管理するため、テレワークによる在宅勤務に対応できます。従来の方法では、請求書を印刷したりスキャンしたりする必要がありました。

それがパソコンやスマートフォンで完結するため、わざわざオフィスに行く必要がありません。ネットワーク上で管理するということは、書類の紛失などの心配もなくなります。

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