インボイス制度

インボイス制度のメリット・デメリットは?導入の背景や電子インボイスについても解説

公開日:2021.12.31更新日:2022.05.31

令和5年10月からインボイス制度が始まります。インボイスという言葉を聞いたことがある方でも、詳しい内容や、導入背景までは理解していない方が多いのではないでしょうか?

令和5年までは、時間があるようにも感じられますが、制度導入に向けてインボイス制度の内容について少しでも理解を深めていく必要があります。

そこで本記事では、インボイス制度のメリット・デメリットについて解説するとともに、導入背景と電子インボイスについてもわかりやすく解説していきます。

インボイス制度とは

インボイス制度とは、請求書の複数税率(8%・10%)を明確に表記し、消費税納税の透明性を図るための制度です。

以下で、インボイス制度の概要について簡単な例で説明します。商品を仕入れた時に80万円の消費税を支払い、販売した時に100万円の消費税を受け取ったとします。この場合、100万円から80万円を控除した20万円を国に納付することとなります。このときの80万円の控除のことを仕入税額控除といい、この控除が認められるために適格請求書の保存が必要となるのがインボイス制度です。

適格請求書とは従来の請求書に一定の要件が加わったものであり、具体的な記載事項は以下のとおりとなります。

①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
②取引年月日
③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
⑤税率ごとに区分した消費税額等
⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
(出典:国税庁|適格請求書等保存方式の概要 -インボイス制度の理解のために-(パンフレット)(令和2年6月)​

この中で、適格請求書の要件として新たに追加されているのは、①の登録番号④の適用税率⑤の税率ごとに区分した消費税額です。

このように、実務に大きな影響があるインボイス制度ですが、その導入目的は売り手が買い手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えることにあります。

インボイス制度について詳しく知りたい方は、下のリンクで確認してください。

インボイス制度導入の背景

軽減税率の明確化

2019年10月の消費税増税にともない軽減税率が導入され、消費税が10%と軽減税率8%で混在しています。異なる税率の混在により、これまでより税額計算が複雑になったことを受けて、インボイス制度を導入し、正確に課税関係を確認する必要が出てきました。

インボイス制度が導入されれば、仕入れや販売における不正ミスが防止されることも期待されます。むしろ、インボイス制度の導入無しでは、複数の適用税率を区分して正確な納税額を算出するのは非常に困難と言えます。

益税問題を解決する有効な方法

益税とは、消費税の一部が納税されず事業者の手元に残ってしまい、そのまま合法的に事業者の利益になってしまう仕組みのことです。今までの低い消費税下では、見過ごされがちでしたが、消費増税に伴い益税額も増加する以上、適切な議論が行われるべき問題となっています。

インボイス制度が導入されると、「適格請求書」が発行できない免税事業者は、課税事業者との取引を行いづらくなります。この仕組みを懸念して、免税事業者から課税事業者になる人が増えると考えられます。

益税を得ていた免税事業者の人口が減ることで、全体の益税額も減少することが予想されます。ただし、インボイス制度の導入によって益税が全くなくなるわけではありません。

電子インボイスとは?

電子インボイスとは、インボイス制度において仕入税額控除に必須となる適格請求書を電子化する仕組みのことです。

インボイス制度の導入後、適格請求書を取り扱う必要があるため、買い手・売り手の双方にこれまでになかった業務負荷が発生することが懸念されています。

例えば、買い手は仕入税額控除を受けるために、税区分ごとの会計処理・税率ごとの仕入税控除の計算をしなければなりません。さらに免税事業者からの仕入れは、仕入税額控除の対象ではないため、会計処理を別でしなければなりません。

また、売り手は請求書に登録番号・適用税率と税率ごとの消費税額を表示することと、適格請求書発行事業者への登録が求められています。

そこで、政府と会計システムを手がける民間企業団体が協議を開始し、インボイス制度開始に向けて企業間でやり取りする請求書の完全なデジタル化、つまり“電子インボイス”(Electronic Invoicing)の導入検討を始めました。

電子インボイスによるメリット

2020年7月、電子インボイス普及を目的とした「電子インボイス推進協議会」が発足しました。これにより、企業間における電子インボイスの導入が、活発化することが予想されます。以下、電子インボイス導入におけるメリットを解説します。

仕訳税額控除の計算をシステムで自動化

電子インボイスは、国内で規格統一された仕様のため、消費税などの法改正に合わせて多くの会社でシステム対応が行われることが予想されます。

すると、取引先が異なるシステムを利用していた場合も、請求情報を自動で取り込めます。複雑な仕入税額控除の計算もシステムが自動化されるため、業務時間を大幅に削減することが可能となります。

海外取引に対応可能

日本では、2020年末に電子インボイス推進協議会が国内向け電子インボイスの仕様「Peppol(ペポル)」というグローバルな標準規格を準拠させることが発表されました。

「Peppol(ペポル)」とは、受発注や請求にかかる電子文書をネットワーク上でやり取りするための「文書仕様」「ネットワーク」「運用ルール」の規格で、国際的な非営利組織であるOPEN PEPPOLが管理しているものです。

これにより、海外企業との取引でも国内と同様の電子インボイスでやり取りすることが可能となり、インボイス制度がグローバルな取引にも対応できる仕組みとなることが期待されます。

適格請求書のペーパレス化

請求書には、7年間の保存が義務づけられており、インボイス制度下では金額問わず全ての適格請求書が対象となります。

適格請求書のペーパーレス化に対応しなかった場合、保管場所やファイリングなど業務がつきまといます。それに対して、電子データによる保存では、保管スペースや経費が削減されるだけでなく、必要な情報を容易に検索することもできます。

請求書業務がテレワークに対応

経理業務の中でも、請求書の業務は性質上、在宅で対応することが難しいとされてきました。

しかし、電子インボイスに対応するシステムを利用すれば、どこでもアクセスできるため、時間や場所にとらわれずに請求書業務に従事することができます。代表的なサービスの1つであるTOKIUMについて、以下で紹介します。

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