電子帳簿保存法

電子帳簿保存法が改正!法第10条で規定された電子取引データの保存要件はどうなる?

公開日:2021.12.31更新日:2021.12.31

近年企業のDX化が進み、請求書や契約書といった取引上の書類を電子データで受け取ることが増えてきたのではないでしょうか。現状では、電子帳簿保存法第10条を根拠として、電子取引データは紙に印刷して保存することできます。しかしながら、2021年の電子帳簿保存法改正によって法第10条に修正がなされた結果、電子取引データは一定の要件を満たした上で電子保存することが義務となりました。
 
そこで今回の記事では、電子帳簿保存法の概要から、現行の電子帳簿保存法第10条では何が規定されているのか、改正後はどのように変化したのかについて解説します。

電子帳簿保存法とは

具体的な条項を確認する前に、まず電子帳簿保存法の概要について説明します。
電子帳簿保存法は、法人税法や所得税法、消費税法といったそれぞれの税法で原則紙での保存が義務付けられている帳簿書類について、一定の要件を満たした上で電子データによる保存を認めた法律です。また同時に、電子データで受け取った取引情報の保存義務も定められています。
 
正式には「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」といいます。1998年に制定されて以来、利便性の向上や社会情勢の変化に対応する形で、以下のように数度の改正が行われてきました。

【電子帳簿保存法の改正の経緯】
1998年:電子帳簿保存法施行。決算書データの電子保存が可能に
2005年:e-文書法施行。スキャンによる電子保存が可能に
2015年:3万円未満・電子署名などの条件が緩和
2016年:スマートフォン撮影の画像も認められるように
2020年:ユーザーが改変できないものはデータ保存が可能に
2021年:電子データ保存の要件が緩和・電子取引の電子保存が義務に

2021年の改正では、経理の電子化による生産性の向上およびテレワークの推進、記帳水準の向上などを目的として、電子取引の電子保存義務化といった、デジタル化推進に大きく踏み込んだ内容も組み込まれています。

電子帳簿保存法第10条(令和元年12月16日施行)

上で述べた通り、電子取引データの保存については現行の電子帳簿保存法第10条で規定されています。

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)第十条 所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。ただし、財務省令で定めるところにより、当該電磁的記録を出力することにより作成した書面又は電子計算機出力マイクロフィルムを保存する場合は、この限りでない。

出典:e-Gov法令検索|電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(施行日:令和元年十二月十六日)
 
電子取引とは、「取引情報の授受を電磁的方式により行う取引」のことをいい、具体的には電子メール、クラウドサービス、EDI取引、インターネットを介した取引情報の授受などがあります。
「財務省令で定めるところにより、その電磁的記録を出力することにより作成した書面は、この限りではないとあるように、電子取引における電子取引情報を紙に出力し保存しても構わないとされている。

改正電子帳簿保存法第7条(令和4年1月1日施行)

現行の電子帳簿保存法第10条の内容は、改正電子帳簿保存法では第7条で規定されています。

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)第七条 所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。

出典:e-Gov法令検索|電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則(施行日:令和四年一月一日)
 
旧10条と見比べてみると、新7条では旧10条に記載されていたただし書きが削除されていることがわかります。すなわち、令和4年以降は紙に出力して保存ができなくなることを意味します。
国税庁の電子帳簿保存法【電子取引関係】一問一答問4でも「法律改正後は、電子取引データを出力した書面等の保存措置が廃止される」と明記されています。

電子保存義務化に2年間の猶予

電子取引データの電子保存義務化が決まった一方、施行日までに改正電子帳簿保存法の保存要件を全て満たすのは現実的でないという声や、従来通り紙保存を認めて欲しいという声が多くの企業で上がりました。
 
これを受け、2021年12月10日、自民党及び公明党両党が決定した「令和4年度税制改正大綱」おいて、電子保存義務化に2年間の猶予期間が設けられることになりました。猶予を受けるための厳密な条件や申請などはなく、2023年12月31日までは従来通り紙での保存が可能になります。
「電子保存義務化の猶予措置」については、詳しく知りたい方はこちら

【2022年】電子保存義務化が延期!2年間の猶予措置が適用される条件を解説


 

電子データの保存要件

電子データはただ保存するのではなく、一定の保存要件を満たした上で電子保存をする必要があります。具体的な要件には、「真実性の確保」と「可視性の確保」の大きく2つがあります。

真実性の確保

1 . 訂正・削除履歴の確保(帳簿)

記録事項について訂正又は削除を行った場合や通常の期間を経過した後に処理を行った場合に、事実及び内容を確認することができる電子計算機処理システムを使用すること。

2 . 相互関連性の確保(帳簿)

関連する帳簿間で相互にその関連性を確認できること

3 . 関係書類等の備え付け

システム概要書、システム仕様書、操作説明書、事務処理マニュアル等のシステム関係書類を備え付けること

可視性の確保

1 . 見読可能性の確保

帳簿に係る電磁的記録の保存等をする場所でパソコンやプリンターなどの操作説明書を備え付け、電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に速やかに出力できるようにしておくこと。

2 . 検索機能の確保

取引年月日・勘定科目・取引金額その他の主要な記録項目を検索条件として設定でき、金額範囲を指定して条件設定できること。また、2つ以上の任意項目を組み合わせて条件を設定できること
参考:国税庁|電子帳簿保存法上の電子データの保存要件

電子保存の環境を早急に整備することが大切

今回、電子取引データの電子保存義務化に猶予が与えられましたが、先延ばしになっただけであり、紙での保存ができなくなるという事実に変わりはありません。猶予期間のさらなる延長は考えにくいため、全ての企業は、要件を満たした上で電子データを電子保存する環境を2024年までに整備する必要があります。日々の業務も忙しいと思いますが、まだ対応していない企業は、
 
今回の法改正では、紙の書類をスキャナ保存する要件も大幅に緩和されています。これを機会に、帳簿書類の受領をクラウド上でまとめて一元管理することで、経理業務の効率化を目指すという選択肢もあります。
 

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