インボイス制度

インボイス制度で変わる建設業界!3つの注意点と準備をわかりやすく解説

更新日:2024.10.30

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インボイス制度が建設業界に与える影響

インボイス制度が2023年10月から導入されました。様々な業種に影響を与えるインボイス制度ですが、一人親方や手間請けなど免税事業者へ仕事を発注することが少なくない建設業界では特に対応が求められます。

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本記事では、インボイス制度が建設業界に与える影響について、主に一人親方へ発注する側の視点からわかりやすく詳しく解説します。

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インボイス制度とは

インボイス制度とは、2023年10月から導入された「新しい仕入税額控除」の方式です。正式名称を「適格請求書等保存方式」と言います。

インボイス制度開始前は「区分記載請求書等保存方式」という方式が採用されており、適用税率ごとに区分した請求書(または納品書、領収書等)と区分経理に対応した帳簿を保存すれば、仕入税額控除の適用を受けることができました。

しかし現行制度下で仕入税額控除を受けるためには、より細かい記載事項や制限が設けられている「適格請求書(=インボイス)」を保存する必要が生じます。

適格請求書は国税庁から登録承認を受けている「適格請求書発行事業者」でなければ発行できません。そのため、インボイス制度下で適格請求書を発行する場合は、事前に登録申請を行う必要があります。

インボイス制度全般について、詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

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インボイス制度で建設業者が抑えるべき3つの注意点

インボイス制度の導入により、多くの業界が影響を受けますが、特に建設業界はその影響が大きいです。ここでは建設業者が注意したいインボイス制度の注意点を詳細かつわかりやすく解説します。

1.仕入税額控除を受けるためにはインボイスの保存が必要

建設業者に限らず、インボイス制度下で仕入税額控除を受けるためには、適格請求書発行事業者のみしか発行することができない適格請求書の交付を受ける必要があります。

適格請求書発行事業者に登録できるのは課税事業者のみです。したがって、売上高が1,000万円以下である免税事業者が適格請求書発行事業者になるためには、まず課税事業者になる必要があります。

もし仮に免税事業者、適格請求書発行事業者の登録を行っていない課税事業者が売り手の場合、インボイスを交付することができないため、買い手は課税仕入れに関する消費税額は控除できません

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特に建設業界では、免税事業者である「一人親方」が発注先の大部分を占めているケースも多いです。したがって、インボイス制度開始後は、取引先の一人親方が適格請求書発行事業者の登録を行っているかを確認する必要があります。

もし取引先が事業者登録を行っていない場合、今後の対応について考えましょう。具体的には、以下のような対策が挙げられます。

  • 相手分の納税額を自社で負担しながら、免税事業者との取引を続ける
  • 免税事業者から適格請求書発行事業者への変更を要請する
  • 適格請求書発行事業者の登録を行っている一人親方と新たに契約を結ぶ

2.課税事業者・適格請求書発行事業者の登録を促す際は慎重に

自社が仕入税額控除を受けるためには取引先が適格請求書発行事業者でなければならないため、一人親方などの免税事業者等に対して、登録を依頼したくなるかと思います。

しかし、免税事業者は下請法や建設業法によって保護されており、課税事業者​​になってもらい、適格請求書を発行するよう強引に要請することは下請法・独占禁止法に違反するおそれがあります。したがって、登録を促す際には慎重に行いましょう。

もし交渉が難しい場合は、すでに適格請求書発行事業者となっている別の業者へ依頼先を変更することも一つの選択肢です。取引先の対応を確認し、自社の対応方針を決定しましょう。

下請法・独占禁止法に違反する具体的なケースについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

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3.適格請求書の記載項目の確認が必要

適格請求書を受領する場合、適格請求書の新たな記載項目を確認する必要があります。

適格請求書では、区分記載請求書の記載項目に加えて、登録番号、適用税率、税率ごとに区分した消費税額等の3つが追加されています。なお、適格請求書の様式は法令等で定められていません。必要な事項が記載されたものであれば、名称を問わず、また手書きであっても適格請求書として認められます。

仕入税額控除を受けるため、適格請求書の記載項目を確認・反映しましょう。

一方、適格請求書の「発行」に関して具体的に準備すべきことについて詳しく知りたい方は、下記の関連記事をご覧ください。

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インボイス制度開始までに建設業者が準備すべきこと

インボイス制度の開始によって、建設業者は様々な対応が求められます。ここでは、インボイス制度開始までに建設業者が準備すべきポイントについて解説します。

取引先の状況確認

先述したように、適格請求書発行事業者以外の売り手と取引する場合、買い手は仕入税額控除を受けることができません。そのため、自社の取引先が適格請求書発行事業者であるかどうかも、インボイス制度開始前までに一度確認しておきましょう。

なお、インボイス制度が開始される2023年10月からすぐに仕入税額控除が全額受けられなくなってしまうわけではありません。制度開始後は、6年間の経過措置が設けられています。

経過措置の内容や期間中の控除割合について知りたい方は、下記の関連記事をご覧ください。

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現時点で取引先の一人親方が事業者登録を終えていない場合、今後「適格請求書発行事業者」になる意思があるかどうかを確認しましょう。もしその意思がない場合、入念にコミュニケーションを取り、今後の取引方針を検討するようにしましょう。

経理システムの見直し

建設業者はインボイス制度開始までに、経理システムの見直しを検討しましょう。

インボイス制度によって、受け取った適格請求書の登録番号の入力・照合など、発行よりも受領において新たに多くの作業が発生します。したがって、インボイス制度が開始される前に、登録番号の自動データ化・照合、請求書の記載内容の自動突合を行ってくれる請求書受領システムの導入を検討しましょう。

インボイス制度に対応している請求書受領システムを導入することで、不安なく2023年10月の制度開始を迎えることができます。

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インボイス制度×建設業まとめ

本記事では、建設業におけるインボイス制度の要点について説明してきました。本制度が建設業者に与える影響は大きく、特に免税事業者である一人親方に仕事を発注することが難しくなる可能性があります。

一人親方の中には、影響を考慮して適格請求書発行事業者に登録する人もいます。取引先としっかりと話し合った上で、今後の方針を決定するようにしましょう。

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