帳票管理

見積書の保管期間と保管方法【紙/電子別に解説】

公開日:2021.12.31更新日:2022.10.26

本記事では見積書の保管期間や保管方法について紹介します。この記事を読み終える頃には、電子帳簿保存法への対応必要性を踏まえた上で見積書の保管方法への理解が進むでしょう。

見積書の保管は必要?

見積書、請求書、そして納品書などの書類は証憑(しょうひょう)書類と呼ばれ、紙または電子の形式に関わらず、法律で保管が義務付けられています。支払いに直結する請求書に比べると優先度は劣るように思えますが、万が一取引上でトラブルが起きた際に支払いや契約の経緯を裏付けることができる材料となるため、必ず保管しておきましょう。

参考:国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」

見積書の役割

見積書とは、金額やサービス範囲などの条件を、相手方に提示する為の書類です。ビジネスの初期段階でやり取りされ、取引をスタートさせる役割があります。発注者は見積書によって費用の概算を確認することができ、実際に取引に進むべきかの判断材料となります。
また、見積書によって発注者と受注者の取引内容への認識が一致し、トラブルを未然に防ぐ役割をします。このように、見積書は取引上重要な書類であるために、一定期間の保管が義務付けられています。

見積書の法的な意味

後々のトラブルを考慮して、基本的にはビジネスでは契約書を結ぶことが良しとされています。一方、民法によると、一方の当事者による「申込み」に対して他方の当事者が「承諾」をした場合は、契約書が発行されていなくとも、発注書などで承諾の意思表示をすれば、当事者間に契約が成立します。
見積書は契約の「申込み」としての性格を有しているため、契約書が発行されていない場合などで契約有無を示す重要な書類となり得ます。したがって、その取り扱いには注意が必要であると言えるでしょう。

契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

民法522条(契約の成立と方式)
【イラスト図解/電子帳簿保存法】2022年1月の改正ポイント

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見積書の保管期間

見積書含め、国税関係書類は最低7年間保存する必要があります(参考:国税庁「帳簿書類等の保存期間」)。国税庁のページには記載があるものの、かなり簡素なので以下のように補足していきます。

法人の場合は原則7年

法人の場合、見積書の保管期間は、法人税法によって原則7年と義務付けられています。これは万が一、脱税が発覚した場合、さかのぼって追徴課税ができる期間に基づいています。
なお、保管期間の起算点は、見積書の「発行日」ではなく、「その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間」である点に注意が必要です。
例:3月決算の法人が「2022年1月発行日」の見積書で考えた場合、「次の確定申告期限は2022年5月末日」となる為、その7年後の「2029年5月末」までが保管期間となります。

赤字決算の場合は10年

法人の場合、保管期間は原則7年です。しかし例外として、赤字決算の場合は保管期間が10年に伸長されます。これは、「繰越欠損金制度」の利用期間が10年であることに基づいています。
「繰越欠損金制度」とは、過去の赤字と将来の黒字を相殺することで課税額を抑制できる制度です。過去にさかのぼれる期間が10年間であり、青色申告であることが条件です。なお、この繰越欠損金制度は幾度か法改正されています。赤字の発生した事業年度が平成20年4月1日〜平成30年3月31日の場合は9年間、平成30年4月1日以降であれば10年間の保管となっています。
しかし、細かく分類して保管することは手間とコストがかかる為、赤字が出たら一括で10年保管とすることが無難でしょう。

繰越欠損金については、以下の記事で解説しています。気になる方はご覧ください。
▶︎関連記事:『繰越欠損金』とは?新型コロナによる還付特例も知っておこう!

なお、請求書や納品書など、見積書以外の国税関係書類も期間についての考え方は全く同じです。それぞれ解説記事を用意していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

▶︎関連記事:請求書の保存期間は?最新法改正から保管の注意点まで解説!【2022年】

▶︎関連記事:納品書の保管期間は7年?税法と会社法の違いについて解説

見積書を紙で保存する方法

本項では、見積書を紙で保管(保存)する方法を紹介します。作業の流れは、郵送やFAXで届いた見積書を、事業年度か取引先のどちらかの分類に従ってファイリングするのが一般的です。

事業年度ごとに分類する

時系列に沿って、事業年度ごとに分けて保管します。この保管方法は特別な技術は必要とせず、誰でも簡単に実行することができます。
保管ルールにプラスして、廃棄の流れまで決めておくことがポイントです。廃棄の流れを決めておくことで、個々の見積書の廃棄タイミングに悩むことなく、効率的に業務を進めることができます。
また、廃棄方法は毎年1年分の見積書を、廃棄業者に廃棄してもらう方法が簡単です。この機会に廃棄方法までルールに組み込んでおきましょう。

取引先ごとに分類する

取引先の数の変動が少なく、定期的な取引がある場合は取引ごとに分類する方法がオススメです。請求書や納品書など他の経理書類とまとめておくと、後から見返す場合にも探しやすく便利です。
また、経理書類の中には見積書の他にも10年保管のものがあるため、見積書と一緒にファイリングする方法もあります。なお、保管期間が過ぎた書類の廃棄は、事業年度ごとにファイリングするのに比べると、選別に時間を要する可能性があります。

紙保管のデメリット

紙の見積書は、経年劣化により、文字が読みにくくなる可能性があります。そのため、適切な保管環境を用意する必要があります。また、仕分けやファイリングに人手がかかる点や、後から探すのが困難になる可能性も懸念として挙げられます。

この他に紙保存に関する特筆事項として、2022年1月に改正が施行された電子帳簿保存法について触れておく必要があります。

【重要】2024年1月以降、電子データの紙面印刷はNGに

2022年1月に改正が施行された電子帳簿保存法により、PDF等の電子データとして授受した見積書などの国税関係書類を紙に印刷して保存することが認められなくなりました(※その後、2年間の猶予が発表され、2023年12月31日までは紙保存が認められることになりました)。電子帳簿保存法の猶予期間の過ごし方については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

▶︎関連記事:電子帳簿保存法2年の猶予期間に検討すべき5つのこと【保存版】

見積書を電子保存する方法【スキャナ保存/電子取引】

前述した紙保存のデメリットや電子帳簿保存法対応の必要性を考慮すると、電子保存が避けられない状況であると考えられます。

具体的には電子保存とは「スキャナ保存」「電子データ保存」の2つのパターンが挙げられます。

1.紙の見積書→画像化して保存(スキャナ保存)

取引先から受け取った紙の見積書をスキャナで読み取ったり、スマホで撮影したりすることで電子データ化し、保存する方法があります。これは電子帳簿保存法の中の「スキャナ保存」という区分として示されています。
令和3年度の税制改正において電子帳簿保存法が改正されたことにより、この「スキャナ保存」の要件が緩和されました。令和4年1月1日からは、税務署長の事前承認制度が廃止され、申請書の提出が不要となりますので、導入にまつわる事業者の負担が軽減されます。詳しくは以下の記事でご確認ください。

2.電子データの見積書→電子のまま保存(電子取引)

2022年1月に改正が施行された電子帳簿保存法により、PDF等の電子データとして受領した見積書は、紙に印刷したものではなく、電子データで保管する必要が生じます(2年間の猶予を経て2024年1月より完全義務化)。

データで授受した書類とは、メールやクラウドサービスで授受したPDF、EDI取引などが該当します。企業間の取引を行う上で、このような電子取引を避けては通れる企業は極めて少ないでしょう。
これまで「電帳法とは関係がない」と思っていた企業も、電帳法に対応した見積書の保存運用方法を検討する必要があるかと思われます。なお、電子取引については以下の記事が詳しく解説しています。ぜひご確認ください。

見積書の電子保存ならTOKIUM電子帳簿保存!

電子帳簿保存法の改正により、電子データの紙面印刷は不可能となるため、企業の取るべき道は紙保存と電子保存の併用電子保存への一本化の2択といえます。ただし、実際の業務負荷を考えると紙保存と電子保存の併用は本質的な管理とはいえないでしょう。したがって電子で一元管理する他ないというのが当編集部の見解です。

例えばTOKIUM電子帳簿保存を利用すると、全ての国税関連書類(見積書・請求書・納品書・契約書・発注書等)をオンラインで管理することが可能です。

見積書の電子管理ができるだけでなく、原本の受領とデータ化、保管はTOKIUMが代行してくれるので、電子帳簿保存法対応だけでなく、煩雑な業務を減らせる点はメリットと言えるでしょう。料金等の詳細の内容は以下のリンクからダウンロードできる資料でご確認ください。

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