電子帳簿保存法

【2022年最新】電子帳簿保存法に対応した請求書の保存方法

公開日:2022.04.20更新日:2022.06.17

2022年1月から電子帳簿保存法が改正され、請求書の電子保存がしやすくなった反面、電子取引の請求書は電子での保存が原則義務化となりました。
保存要件についても複数の変更があり、電子請求書の扱いについて改めて知りたいと考えている経理担当者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、電子取引の際の請求書の扱いについてご説明しております。ぜひ最後までご覧ください。

そもそも電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、帳簿・請求書・決算書・決算関連書類などの国税関連の資料を一定の条件下で電子化して保存することを認める法律です
本来国税関連の資料は紙での保存が必要ですが、紙を扱うことの手間やコストを削減するために1998年から施行されています。その後も時代の変化を受けて何度か改正をされていますが、要件の厳しさなどから導入が一定の割合に留まっていました。
ここ数年、5G・IoTの普及や、コロナウイルスの影響でリモートワークが進んだことなどを背景に、企業活動においてもデジタル化がますます浸透しています。
この流れに対応するため、2022年に電子帳簿保存法が改めて改正され、書類の電子化要件がさらに緩和されました。

2022年1月スタート!電子帳簿保存法の5つの改正ポイント

事前承認制度の廃止

国税関連資料を電子帳簿保存法に基づいて保存するためには、これまでは税務局に3ヶ月前までに申請をして承認を得る必要がありました。そのため、電子帳簿保存法への対応を検討し始めてから導入するために数ヶ月から1年程度の時間がかかってしまうケースが一般的でした。
しかし今回事前承認制度が廃止され、事前に税務局に申請をする必要がなくなりましたこの事前承認廃止により、企業が事前に準備をする手間やコストが大きく削減されます。

データ保存要件緩和

改正前は、電子データを保存する際には取引年月日・取引科目・取引金額などの国税帳簿関連資料の主要な記録項目を検索条件として設定する必要がありました。加えて、日付及び金額については範囲設定できることや、2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて検索できることも要件とされていました。
今回の改正により、電子データを保存する際に必要な記録項目が取引年月日・取引金額・取引先に限定されました
また、税務調査などで税務職員から電磁的記録のダウンロードを求められた場合に応じられれば、日付や金額による範囲指定や2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて検索できるといった機能の確保も不要となっています。

スキャナ保存要件緩和

スキャナ保存要件については、タイムスタンプ要件の緩和や適正事務要件の廃止がされています
タイムスタンプについては、改正前は従業員が請求書や領収書などを受領した際に、受領後3営業日以内に自署してスキャンをし、タイムスタンプの付与を行う必要がありましたが、改正後はスキャンを行える期間が最長で2ヶ月に延長され、受領者の自署も不要となりました。さらに、訂正・削除の履歴を残すこと、または訂正・削除ができないシステムに変更することでタイムスタンプの付与が不要となっています
適正事務要件も緩和され、改正前は不正防止を目的に相互けん制体制の構築や定期的な検査を求められていましたが、改正後は要件から外されました。

電子取引データの電子保存義務化

電子取引データの保存方法については要件が厳しくなっており、これまでは紙での保存も認められていましたが、令和4年の改正後は原則電子データでの保存が義務化されています
この改正により、次のような媒体で受け取った電子取引データは電子での保存が義務付けられました。

電子メール
電子メール自体に情報が記載されている場合メールも保存、添付資料に情報が記載されている場合資料を保存
 
クラウドサービス・ホームページ
基本的に、クラウドサービスやホームページからダウンロードして保存
 
カード
クレジットカードや交通系ICの利用明細をクラウドサービスなどによって受領した場合、ダウンロードして保存
 
EDIシステム、ペーパーレスFAX、DVDなど
それぞれの特性に応じて、必要事項が記載されている資料を保存

本来は上記の電子データの電子保存が令和4年1月から義務化される予定でしたが、令和4年度税制改正により、システムや業務フローの構築が間に合わず導入が困難な場合には、令和5年までは引き続き出力書面などによる保存が可能となっています。
ただし、令和6年以降は電子データの電子保存が義務化されるため、導入に向けて準備を進めていく必要があるでしょう。

不正行為に対する罰則強化

電子データ保存に対する要件は緩和される一方、不正行為に対する罰則は強化されており、電子データ改ざんや隠蔽などの不正が行われた場合、通常課される重加算税に加えてさらに10%の重加算税が課されます
また、電子保存の要件に不対応の場合、青色申告の取り消し処分が課される可能性があることも注意点です。
罰則が強化されたことで、不正が起きた場合に受ける損害が大きくなっているため、経理担当者は不正に一層の注意が必要です。

請求書の電子保存要件

請求書の電子保存要件には、真実性の確保可視性の確保の2つがあります。
真実性の確保は保存されたデータが改ざんされていないと示すことが目的で、可視化の確保では保存されたデータが検索・表示できることが目的となっています。

真実性の確保

真実性の確保について、具体的な保存要件は次のいずれかを行うことが求められています。

  1. タイムスタンプが付与された後、取引情報の授受を行う
  2. 取引情報の授受後に速やかにタイムスタンプを付与するとともに、保存を行う者あるいは監督者に関する情報を記録しておく
  3. 記録事項の訂正・削除を行った際にそれを確認できるシステムを使用するか、訂正・削除が行えないシステムを使用する
  4. 正当な理由がない訂正・削除の防止に関する事務処理規程を定め、その規程に沿った運用を行う

改正前はタイムスタンプの付与が必須でしたが、改正後は上記3あるいは4の条件を満たす場合にはタイムスタンプが不要となっています。
また、1・2の条件でタイムスタンプを使う場合にも、これまでは自署と3営業日以内のタイムスタンプが必要でしたが、今回の改正で自署が不要となり、タイムスタンプも最長で約2ヶ月と7営業日以内に付与に要件が緩和されました。

可視性の確保

可視性の確保について、具体的な保存要件は次のとおりです。

  1. 保存場所に、電子計算機、プログラム、ディスプレイ、プリンタ及びこれらの操作マニュアルを備え付け、画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できる
  2. 電子機器計算処理システムの概要書を備え付け
  3. 検索機能を確保

上記3について、改正前は取引年月・勘定科目・金額・取引先といった主要な記録項目の記載が必要でしたが、改正により取引年月・金額・取引先のみとされました
また、改正前は日付または金額の範囲指定での検索や2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた検索が必要でしたが、改正後には税務局からダウンロードの求めに応じられる場合にはこれらは不要となっています。

電子化した請求書の保管期間

電子化した書類の保管期間は紙と同じ期間です。ただし、法人と個人事業主の間で必要な保管期間が異なるため注意が必要です。

法人の保管期間

法人の保管期間は原則7年とされており、7年の数え方については、請求書の日付ではなく事業年度の確定申告の提出期限の翌日から7年間となっているため、注意が必要です。仮に請求書を1月に受け取ったとしても、確定申告が5月末締切の場合には、5月末から7年を数えます。
平成16年の法改正以前は大法人・中小法人としており会社の規模によって5年や7年と期間が異なっていましたが、法改正によって一律で7年とされました。
ただし、平成30年4月1日以降に欠損金が生じる事業年度においては、帳簿書類の保存期間が10年となっているため、最長では10年の保管期間が必要で、法人については最長で10年間分の保存をしておくとより安心でしょう。

個人事業主の保管期間

個人事業主の請求書の保管期間は原則5年とされており、5年の数え方については、法人と同様に事業年度の確定申告の提出期限翌日から数えることとされています。また、個人事業主であっても売り上げ規模の大きい消費税課税事業者の請求書の保管期間は7年とされているため、注意が必要です。
平成26年度までは白色申告者のうち事業所得が300万円以下であれば帳簿保存の義務がありませんでしたが、以後改正によってすべての事業者に保管が求められています。
請求書の保管期間については5年間である一方で、帳簿書類の保管期間は7年間とされているため、請求書についても帳簿書類と同様にまとめて7年間保管をしておくとより安心でしょう。

▶︎電子帳簿保存法のよくあるQ&A!電子データの保存期間はいつまで?

電子請求書のメリット

電子請求書にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、発行側と受領側、双方の立場から見たメリットを解説します。

発行側のメリット

社内のペーパーレス化を推進できる

請求書を電子化することで、請求書を印刷する必要がなくなり、社内のペーパーレスが促進されます。ペーパーレスにより、紙を印刷や郵送するコストが削減でき、さらにファイリングをする手間も削減できるでしょう。

請求書の再発行や修正依頼に迅速に対応できる

従来、請求書を再発行したり訂正する場合には、内容を初めから書き直して再度印刷をする必要がありました。一方、電子化を進めることでオンライン上で訂正・再提出ができるようになり手間が削減できます。

経理担当者のリモートワークが可能になる

請求書を電子化することで、請求書の印刷や捺印のために出社をする必要がなくなります。結果、経理担当者のリモートワークが可能となり、より優秀な人材を集めて、多様な働き方ができるようになるでしょう。

受領側のメリット

発行日当日に請求書を受け取ることができる

従来紙で請求書をやりとりする場合、郵送に数日時間がかかるため、タイムラグが発生してしまっていました。一方で電子化を導入することで、発行日当日に請求書を受け取れるようになり、スムーズな取引が可能です。

過去の請求書を検索しやすい

電子化することで、ファイル名に名前をつけることで一覧の形で資料を参照することができます。また、オンライン上で保管をすれば名前や日付などで検索することもできるため、後から資料を探しやすくなるでしょう。

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まとめ

今回、2022年1月に改正された電子帳簿保存法について変更点やそのメリットをご説明しました。
今回の電子帳簿保存法改正では、電子請求書は電子での保存が義務化されます。未だ電帳法に対応できていない企業は、早急なシステム整備が必要です。電子保存の義務化にはマイナスな印象を持つ方が多いと思いますが、請求業務を効率化する転機と捉えることもできます。
TOKIUMインボイスであれば、電子帳簿保存法に対応するだけでなく、請求書周りの業務全般の効率化が可能です。電子帳簿保存法に対応し、なおかつ請求書処理業務を効率化させたいという方は、ぜひご検討ください。

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